さきほどアマゾンの新着案内を見ていると
「よつばと!」の英語版が出ていてびっくり。
チラベルト、ではなく調べると
「あずまんが大王」の英語版まで出ているではないですか。
こっちは英・仏・伊・羅(伊と羅はかなりテキトー)を知ってはいるが、あんな「言葉のニュアンス」が勝負のマンガ、英訳して伝わるのか、つーかそれを英訳しようというのがスゴイ。
いまパッと
「よつばと」の第三巻を開いて
「お嬢ちゃん一匹もってくかい?」
「なさけむよう!」
こんなところをどう訳すのよ。「お嬢ちゃん~」は
I'll give you a little one. Won't ya?ぐらいでいいでしょうが、
「なさけむよう!」をどうするか。
ごく普通にやれば。
Leave me alone!
でしょうが、それでは
「ほっといてよ!」ぐらいで、子供が時代劇のセリフを言っている面白みがない。じゃあ「なさけ」をsympathy,sympathizeと読み解き、
No sympathy with me!
I don't want no sympathy!
か。しかししゃっちこばった感じが出ても古臭さがない。じゃあいっそのこと思い切りシェイクスピア時代まで英語を古くして、
Sympathize me not!
としてみたらどうか。どうもこれが原文の「な・さ・け・む・よ・う」の六音節に、「sym-pa-thi-ze me not」とリズムもあっていい感じ。しかしこうやって延々と訳すのはある種のパズルですな。「よつばと!」は普通のコマ割だからまだしも、「あずまんが大王」なんて四コマですぜ。四コマ特有の間、言葉のずれ、各自(ちよ・とも・よみ・大阪・榊)の文体をあんな短いスペースでどうやるのか。
それと英語→日本語、に限らず、日本語→英語、という母語を外国語に訳すのは結構シンドイ。自分の文体でやっていいならともかく。日本語の文体使い分けはできても、英語の文体使い分けはできないなぁ、まだまだだな。