先日、なんで虎がバターになるのか――といった話題で、
『ちびくろサンボ』をお教えいただく。現物を手にして、これかー!と。
なるほど、バターになってしまう話がありました。手にしたものは一番新しい版だったので、括弧書きで、インド料理に用いる
「ギー」ともなっていましたな。
ただ一番びっくりしたのは、多少、歴史的経緯あって表現が改変された――といった事情があるようだから、自分が読んだものと同じかは分からないけれど、びっくりするぐらい記憶にない。
知らない人名でも、聞き覚えのある人と、まったく初めて聞く人名では、その名前を聞いたときの感触が違うけれど、そういうことで言うと、今回の
『ちびくろ~』は、まったくの初見といった感じ。
けっこう昔話とか童話の類は、好きで読んでいた気がするんだけど、ここまで覚えてませんか!ということに、ちょっと驚く。
でも、例の深夜ラジオのトークを聞く限りでは、みんなそんな感じみたい。
『三匹の子豚』なんか、人間が出てくる(!)、狼が出ない(!!)など、人によって覚えてるエピソードがぜんぜん違うんだよね。
『ジャックと豆の木』も、ジャック・アンド・マメ・アンド・巨大なツルという印象のみ。先日名前を出した
『アリババ』なんて、盗賊の隠した財宝を取りに、
「開けゴマ!」というトコしか覚えてない。
それを別な人間がマネしようとしたけれど、その合言葉が思い出せないところに、件の盗賊と鉢合わせ――というエピソードもあったはずで、しかし前後関係が一切ないなぁ。
覚えてる――ということで言えば、この
『少年探偵ブラウン』かな。これが小学校の図書館にあって、謎解き部分を一生懸命考えたし、どういうトリックがあったか、どんな登場人物だったか――というのも、けっこう記憶に残ってますな。
(「読んでもらっていた」というのと「自分で読んだ」というあたりで、記憶に差ができるのかもしれない。
それにしても、当時から読んでいたのは外国文学ばかりで、日本文学にはぜんぜん親しみがなかったなぁ。だからなのか、『友達100人できるかな』では、SF大好き横田くんに思い入れがあるね)