先日の
『まんが道』以来、読んでいなかった古典作品を読んでみよう――という流れが確立し、それが今回の
『ガラスの仮面』(白泉社)。
第一巻で、
「〇〇〇〇、〇〇〇〇だわ この子……」というセリフがあったけど、そういうちょっとオカシイ世界ですな。
「同化(assimilation)」する話だけれど、自分の場合、とにかく人から外れていたので、そうした動き含め、外から
「眺める」癖がついてる。
具体的にいえば、
「芝居を見ている『自分』を見ている」感じなので、作中で描かれる舞台の世界に入っていけない。
だからどんなに熱が入っていても、それを
「外」から見てしまうんだよね。熱が入ってるキャラクターと自分が一緒になれない。
以前、吉増剛造氏の講演を聞きに行ったら、あれだけの天才が、
「おれ、なにやってんだろうなぁ――」と思いながら打刻してるのを伺った。
やっぱりどこか、そういう
「自分は何をやっているんだろう」という視点が欲しいので、そうした点で、
『ガラスの仮面』はちょっと入っていけない部分がある。
それを思うと、
『君に届け』で、ヒロイン爽子がライバルに気持ちを打ち明けるシーンは、こっちが、
「ヤバイ、自分が爽子になってる!」と、史上初の
「同化」を体験したけど、あれは本当に貴重な体験だったんだな。