やっと既刊分に目を通すことができた
『悪の華』(講談社)。今回もぶっちぎりで凄まじい内容だった。
ただ、作者氏が言うように、変態や思春期をテーマした作品とはどうしても思えず。日本の田舎に対するむき出しの憎悪が、外見上は変態や思春期を装っている――と、そのようにしか読めなかった。
なんでかっていうと、これ、舞台が都市部になった瞬間、成立しなくなってしまうだろうから。電車に乗ってどっかへ行くということもできない。
ただ三巻まで読んで思うのは、これからどういう方向性で作品を作られていくのだろうか――ということ。
愛読するブログ・漫棚通信を読んでいたら、「現実世界とリンクしてるフィクションは、これからきついですね」(3月25日のエントリー)という文章あり、作品の内容が内容だけに、考え合わせてしまった次第。
このまま、田舎に対する憎悪をモチベーションに突っ走るのか、仮にそうするとして、それに読者がついてくるのかどうか――こっちも一読者なんだけど、うーんと唸るだけ。
ひとまず、言及されていた
『小さな悪の華』は見てみたいと思います。ただこれ、レンタルで出回ってるのかなー?
(『ホーリー・グレイル』と同じく、諸国で上映禁止処分となり、日本でのみ公開されたとか。ヨーロッパ映画に詳しい方に今度聞いてみよう)