マンガ
『悪の華』でその存在を知って、どれどれ――と観てみた映画
『小さな悪の華』。自分の大ショック映画史にまた新たな一ページが加わった。
あまりに冒涜的な内容に、そりゃこんなの作ったら上映禁止になるでしょう――と、身震いする。
こうした攻撃的な映画作品を見るたびいつも思うのだけれど、作って人に見せることを目的としている以上、複数人の共同作業で、そうまでして作らなきゃいけない理由はなんだろう――ということが頭から離れない。
映像特典として付いていた監督のインタビューを見ると、
「恨みを晴らす」ということを言っていて、ある種そうした強烈な怨念がないと、こういうのは作れないだろうなぁ――と納得。
ただそのインタビューの中で、ロートレアモンの詩句を
「美しい」と評していて、母語で読むとそういう感覚があるのかと、へぇっとなる。ボードレールについてもそういう言及の仕方。
邦訳で読んだので、まずは凄惨なイメージの数々に驚いてしまったけれど、そうか、原語で読むと、美しい響きがあるのか――と、新しい視点を与えてもらった。
自分の場合あれだな、音楽の方に行ってしまったので、映像や文学のジャンルで暴力的なものは必要としていなかったのだろうと思う。
ある人はその年代にモータースポーツに行くのかもしんないな。板野一郎氏みたいに。
収穫もあったけれど、あまりに強烈すぎる作風で、そのあと慌てて
『木曜日のフルット』を手に取り、バランスをとった次第。
(フルットの顔の下の方にある「く」を横にしたみたいな線、なんだろう?と思ったら、これ、口だったのね。鼻が描いてないから、一瞬なにかと思った)