エレーヌ・テュゼ
『宇宙と想像力』(Jose Corti)を読み進めていくと、ガストン・バシュラールにたどり着く。
ただ単に、学恩がどうこうというレベルを超えて熱心に言及されるので、テュゼ氏は相当お世話になったのだろう。また、実に愛情のこもった言及の仕方。
ガストン・バシュラールという名前は聞いたことがあるけれど、これだけ愛されるとはよほどスゴイ人だったのか――と、急に関心が湧く。
で、ちらっと伝記など眺めると、ものすごいひげもじゃのおじさんが出てきたよ。ほとんど仙人というレベル。そうかー、こんな人だったのかー。
以前、ロラン・バルト関係で腹を立てて以来、フランス現代思想系の翻訳書は一切読まないと心に誓ったので、手に取るとしても、フランス語の原書になっちゃう。
でまた、原書で読んだほうがまだしも分かりやすかったりするからやりきれない。以前、知り合いのフランス人の先生にそのことを伝えたら爆笑してらしたので、そう思うのは自分だけではないのだろう。
肝心の
『宇宙と想像力』は、序文を見ても、マージョリー・H・ニコルソンはある、A・ラヴジョイはあるということで、がっつり
「観念史派」。タカヤマ先生が推すわけだ、そりゃ。
(宇宙観の変遷をたどった書物だから、古い意味での自然科学がいっぱい出てきて、そっちをフォローするのが大変という感じ。
でも細かく章立てがされているので、飽きずに次々と話題を追っていけるのは嬉しい。ただ500ページ越えの大冊だから、読みきるのはけっこう先だなぁ)