先日選んだ5作品が、自分の中の
「このマンガを読め!」だったけれども、新人作家で光る人が多かったのも今年の特徴かと思う。
引っ張ってもしょうがないで、四作家・四作品を並べると――
こざき亜衣
『あさひなぐ』(小学館)
渡辺カナ
『マシカク・ロック』(集英社)
ふみふみこ
『女の穴』(徳間書店)
八谷美幸
『ましのの』(秋田書店)
なぎなたマンガというジャンルに挑戦したこざき氏。当初はとげとげしい雰囲気があったのが、巻が進むにつれオモシロさがジャンプアップ。女の子たちのワイワイとしたギャグシーンが楽しい。これからなぎなた本編をどう描いてゆくのだろうか。期待。
渡辺カナ氏は、発表媒体が
『別冊マーガレット』ということで、純・少女マンガ的な作風だけれども、その絵柄のきらびやかなこと! この雰囲気作りにやられてしまっている。登場する男性キャラクターたちが魅力的なのも、自分としては非常に嬉しい。
四作品の中で一番かっとんでいるのが、このふみふみこ氏。独自の世界観と不可思議なお話運び、これも一話進むごとにオモシロさがアップしているのが感じられ、期待感が増す。新作
『さきくさの咲く頃』(大田出版、ぽこぽこ)もどうなっていくのか。
そして
『少年チャンピオン』で活躍するのが八谷美幸(はちやびさち)氏。徳弘正也氏的なノリで、女子高生がとんでもないことになるというギャグマンガ。でも不思議と読後感に嫌なものがないので、ぜひこの独自路線を突き進んでいって欲しい。
(新人賞は結果、全員が女性作家になったなぁ。青年誌で活躍される方、少女マンガの本道を進まれる方、青年誌の中でも独自路線を歩む方、少年マンガ誌で下ネタオンパレードな方――もうバラエティがすごい)