人気ブログランキング | 話題のタグを見る

[タカヤマ学派のブログ]マンガとアニメーションと人文を脱線(Digression)でつなぐブログーーだったのが、現在は語学人目線で理数系にガチチャレンジ中の内容増えた。あと「文系と理系を両方マジで取り組んでみた」など。理数系とピコピコの話題多め。あと学魔・高山宏の影響を受ける「タカヤマ学派の1人」らしい。その方面では主に経済学担当。(2020年8月に追記)
by ulyssesjoycean
カテゴリ
全体
「文系」と「理系」どっちもガチに取り組ん
駄文
高山宏講演『脳にいい人文学』
佐々木果、「コマ」を語る
グルンステン×高山宏
物語の中の動物
ヴィジュアリゼイション
詐欺の文化史
探偵する小説
美しい洋書たち
翻訳小説『七人の男(抄)』
翻訳小説『サンタール』
ピコピコ武者修行
翻訳小説『不安な墓場』
シロクマの文学雑学コレクション
ネコログ
今日のなぐり書き
語学参考書
[2022年]印象に残った本
未分類
以前の記事
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
ライフログ
フォロー中のブログ
幻戯書房NEWS
前田真宏のINUBOE
最新のコメント
> monadoさん ..
by ulyssesjoycean at 08:12
どちらかというとコードの..
by monado at 23:04
>OE3さん お教えく..
by ulyssesjoycean at 19:57
熱力学と聞くと、学部生か..
by 0E3 at 18:41
> satuki052..
by ulyssesjoycean at 08:07
突然の連絡失礼します。 ..
by satuki0522 at 22:22
> KAZUMAKIさ..
by ulyssesjoycean at 21:33
はじめまして。KAZUM..
by KAZUMAKI at 19:51
> イネさん コメン..
by ulyssesjoycean at 16:32
最近このブログを見つけま..
by イネ at 22:09
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


こういう一冊を待っていた!

 フランス語の参考書としては定評のある(*しかし絶版)、E. Legrand『Methode de stylistique francaise a l'usage des eleves』を手にする。(アクサン記号はメンドイので省きました)
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13203112.jpg

 読み始めてすぐに分かったのは、著者のルグラン氏が「文学至上主義者」だということ。おそらく1930年代の本だと思うけど、いやー、いまやこんなことを言う人はなかなかいないだろうなぁ。

 その辺が本国で再販されない理由かなとも思うけど、「今の学生は文学を知らない!」という嘆き方にもどこか愛嬌があって、それは読んでいてぜんぜんイヤでない。氏の人徳と文学への愛情のなせるワザであろう。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13243570.jpg

 本編はすごくしっかりしていて、フランス語を母語とする人たちのためのフランス語本だから、教え方がすごくシステマチック。さすが。

 というのも、ちゃんとした文章をフランス語で書きたいのだがどうすれば良いか――とネイティヴの友人に訊いてみても、結局は「たくさん読むことだ」というアドバイスになってしまう。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_1324572.jpg

 フランス語を母語とする人であればそれでいいだろうけど、自分は外国語としてフランス語を学んでいるので、ただ読めばいいかというと、それだけではおっつかない部分がある。

 添削のとき「文法的にここがこうなるのはなんでですか?」と尋ねても、こちらが納得できる理路整然とした答えはなかなかもらえない。そりゃそうなんだな、母語ではそこまで文法をつきつめないから。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13305280.jpg

 ヘンな話、日本語の文法については、その友人の方がはるかに詳しいだろう。自分が逆の立場で日本語についての込み入った質問をされても、きっと答えられないと思う。

 前置きが長くなったけど、そういったモヤモヤとした部分にきっちり「こうしなさい」と光をあててくれるのが上記ルグラン氏の本で、これは本当にありがたい。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13315121.jpg

 リライトの例として、ひとつの文に動詞が三回も用いられている、これはイカン。文の骨格となる動詞はひとつに絞り、あとは名詞を中心にしつつ、形容詞で輪郭をはっきりさせ、それを前置詞でつないで書けという。

 これを聞いてはじめて、フランス語で色んな言葉をやたら名詞にする意味がやっと掴めた。動詞を一個に絞るから、他の動詞を名詞の形に置き換えるのが大事なんだね――と。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13383522.jpg

 問題があるとすれば、こうしたことを誰も教えてくれないということだろうか。まぁ職人や勝負師の世界なら自分で悟るということにも意味があるだろうけど、語学の情報は共有したほうがいいんじゃないかなぁ。

 西村牧夫先生が「フランス語を教え始めてみると、自分が何も分かっていないことに気づいた」と著作の中で言われてるけど、それは本当に勇気ある発言だと思う。なかなかそういう風には言える人はいない。
こういう一冊を待っていた!_d0026378_13391965.jpg

by ulyssesjoycean | 2012-01-26 18:10 | 駄文 | Comments(0)
<< 伊集院光 水彩の練習 >>