捜し求めていた
「X-Vision(クロス・ビジョン)」(竹書房)の
「はじめの一歩」特集号がネットを介して見つかったのはまことにありがたい。「いつでも買えるから」とほっといたら、
創刊からたったの二号で廃刊(!)とは、さすが竹書房、あなどれない。
それはともかく
「はじめの一歩」特集の何がありがたいといって、あまり露出しない監督の
西村聡(にしむらさとし)氏とキャラクターデザインの
杉浦幸次(すぎうらこうじ)氏のインタビューである。中でも印象に残ったのは、西村氏のインタビュー中、
「はじめの一歩のギャグは難しい」という件。
―ギャグシーンなどにも、その雰囲気が出ていますね。
西村 アドリブは小山さんが多かったですね(笑)。でもね、『はじめの一歩』の笑いのシーンは難しいんですよ。
―難しいというと、オチが付けにくいとか、キャラの崩し方などが?
西村 いや、そういうことではなくて、笑いが分かりやすい展開じゃないんです。誰かがボケて、ツッコミが入る、みんながコケてチャンチャンみたいなノリじゃない。投げっぱなしの笑いだったり、ツッコミやリアクションも現実的なところまで出とめている。100tハンマーとかでツッコミしたりはしないんですよ。だからアニメやマンガ的な大げさなリアクションが使えないという意味で難しいんです。(クロスビジョン 2003夏号 p77)
そして杉浦幸次氏のインタビューでは
―デザインをする上で苦労されたキャラはいますか?
杉浦 やはり一歩ですね。主役ということもあるんですが、一歩は森川先生のマンガの中でもスタンダードなキャラクターだと思うんですよ。もっとも特徴的であり、かつ特徴がないというか、とにかく似せるのがとても難しい。むしろ、青木とか木村、鷹村なんかは似せやすいんです。顔も特徴的だし、行動に性格が出ますからね。僕も青木・木村と同世代なので、彼らは比較的すんなり描けるんですが……とにかく一歩は難しかった。似なくて(笑)。(同上 p78)
やはりこういう季刊(quarterly)雑誌は買っておかないといけませんな。季刊誌「エス」もアマゾンでバックナンバーをチェックすると雑誌とは思えないような高値がついている。