夏目房之介氏の注目している、マンガ家
よしながふみ氏の
「大奥」を立ち読みし、ありゃ、これはオモシロイと、よしながふみ評価を改める仕儀となった。
夏目氏つながりで言えば、氏のブログでも紹介されていた、
よしながふみ「愛がなくても喰ってゆけます」は、
「食べる愉しみ」系のマンガということもあってかなり期待していたのだが、食べる描写はともかく、それ以外の部分が癇に障ってとても読めたものではなかった(具体的にどこと言うのは避けるが、アマゾンの書評でも同様の部分を気にしている方がおられた。興味のある向きは参照されたし)。絵柄もコマ割も、非常にこなれていただけに、「もったいない」と思ったものだったが、これは要するに、「己を作中に登場させる距離感」良く分からなかったのであろう。
「大奥」は連載を立ち読みしただけなので、単行本で読むとまた印象が変わるかもしれないが、普段、
島本和彦・
今市子・
けらえいこ・
和泉かねよしなど、作者が(さまざまなレベルで)登場する作品を好んで読んでいただけに、その己を客観して笑いに転化できるインテリジェンスに傾倒しすぎて、自分を登場させるのが苦手なマンガ家のことをおろそかにしていたな、と少し反省した次第。ちょっと読んでみます。