押井守さんの本でタルコフスキーと並べて語られていた、アラン・レネ監督の『去年マリエンバードで』。Blu-rayがやたら安かったので購入しましたが、まー、キテる映画でしたなー。
じゃ嫌いなのかというとそうではなく、きらびやかな館内の装飾、何度も何度も繰り返される構造など、ははぁ、押井さんが『イノセンス』で引用してる、というのはこういう意味だったかと。
脚本がロブ・グリエ、繰り返しの構造、華美な室内装飾というところから、(フランス)文学史的な教養としては、まさに「正統」を継ぐものでしょう。
ジードの「入れ子構造(mise en abîme)」や、ユイスマンスの『さかしま』を、映像的に表現しようとしたんだろうなと見えてくる。
あとはなんと言ってレイアウトがむちゃくちゃ素晴らしいので、これだけワケワカンネーな雰囲気でも、見続けられる魅力があるのは確か。
特典映像見てたら、ロブ・グリエその人も映画を撮ってるらしいので、それも確認してみたいな。簡単じゃないだろうけど。