山本貴光さんの編著『サイエンス・ブック・トラベル』中、これはまた斬新な分野だなーと気になっていた、身体心理学。
ココロの入れ物がカラダだ、というのは違うんじゃないかと主張する、脳科学全盛の今に棹差す画期的な内容。
当然ながら、東洋思想も出てくるし、動きがあってその後に心が出てくるという多分に禅問答めいた内容をいかに心理学的に記述するかというのが、とても難しそう。
でも面白いのは、東洋の武道や武術の世界で古くから行われるトレーニングは、そのほとんどが体幹を鍛えるもので、それがいまのスポーツでさかんに取り上げられているインナーマッスルと、一致する雰囲気。
夏目房之介さんも、八卦掌という武術をやっているし、ハードに頭を使う人ほど、運動やエクササイズを自身の生活に取り入れていて、それがいわゆる「健康オタク」とは違う必然性があるように思えてしかたない。
かくいうこちらも、サイクリングにストレッチ、いまは体幹とその都度、必要に応じてエクササイズを取り入れているけど、いまとなっては運動のない生活は考えられない。
自分はスポーツに興味なかったし、大してできもしないから、と思っていたけど、勝ち負けを争う競技と、自分が好きでやる運動はぜんぜん違うな!と。
聞いた話では、物理学の最先端も、行きつくところまで行くと、いろんなことを抽象化して記号化(理論化)することのムリが出てくる由。そうすると、道教だの老師だの、東洋思想めいた部分があるとかないとか。
だから東洋思想は素晴らしい!というのじゃなくて、ワケわかるもの(西洋的な発想)と、ワケわかんねーなもの(東洋思想)の折衷案が必要なのかもしんないね。
コンピュータランゲージの発案者ライプニッツも、中国の八卦から発想したというし。いまのビッグデータ分析に、易の思想が使われているとか、なんだかカオス!という感じだなぁ。