イギリスの友人から、I am a Catはlovelyなnovelだと教えられ、少し考えてから、夏目漱石の『吾輩は猫である』だと気づく。
どうも夏目漱石は性に合わないと、このブログに何度か投稿してるけど、そういえば英訳というのは考えたこともなかった。
これも何かの機縁だろうし、というので分冊刊行されてるものを読み始めたらーーありゃ、これがオモシロイ。
以前、由良君美さんの『メタフィクションと脱構築』(文遊社)を読んでいたら、漱石に対し、どうしてこんなに言語遊戯が下手なのだろうという文面が載っていて、なるほど、自分が漱石作品に入れないのもそのあたりか?と思った記憶ある。
英訳で読むとその辺まるで気にならず(当たり前)、むしろ、スウィフトの発想を『トリストラム・シャンディ』で表現してみました!というのが英文からビシビシ伝わってきて、そこが楽しい。
そんな次第で、読んでるとちょいちょい吹き出すし、はじめて漱石作品を心から楽しんで読んでる。ただ決して平易な英語ではないので、昔の語学力では歯が立たなかっただろうなぁ。やっぱり手に取るタイミングはある気がする。