(計算過程の記述を省略するため、何度も出てくるやつは記号で済まそうーーしかし、日本語からアプローチしてる限り、Σやμが「何の略称か」は調べなければならないという大モンダイ。数学史の本も色々出てるようですが、ちくま学芸の『数学序説』が書店で全く見つからない)
英文学や仏文学から経済や金融の歴史に興味を持ち、やってるうちに案外向いているらしいと分かってきたので本式に調べ始めると大変やっかいなモンダイが出始めた。
ファイナンスや金融で使われる種々の計算式、分かってみれば至極まっとうなことながら、困ったことに「なぜこの表記でこの計算をすることになったのか」、その文脈がわからない。
表記そのものが省略されてる(短く書かれている)ので、その省略されてる部分を自分で一度埋めないことには、その省略が使えないというややこしいことに。
このブログを読んで下さる奇特な読者も「何を言ってるか分からない」とお思いでしょうが、書いてる当人はもっとよく分からないという、大変シンプルな状況。
これはどのジャンルでもよくある話で、「できる人視点で書かれると、できない人からはサッパリわからない」という本質的なモンダイ。数学が超ニガテだったポール・ヴァレリーさんが、「数学の教科書は数学が得意でない人間が書くべきだ」というのはこのことだろう。
ファイナンスで使われる表記に数学の表記が使われていて、数学の表記はなぜか通常のアルファベットとギリシャ文字が混在、英語もあればギリシャ語もあり、それぞれが何という単語の頭文字なのかは一切書いていないというーー
これはもう一旦、数学の歴史そのものを追うしかないーーというのが今の状況。この表記で何をしたらいいのか分からないのでは、いくら方程式だけ覚えたところで仕方ない。
ただ昔と違って良かったと思うのは、英語やギリシャ文字が読めるようになったので、日本語が分かんなくても英語で分かればいいやと思えること。実際、数学や金融の用語は英語でやった方が遥かに馴染みやすい。
むしろ、方程式や分布、左辺や右辺という「翻訳語」を作った人に関心する。代入とか移項とか、漢語からよくまあこれだけ揃えたよなぁ。でもその結果、原語から離れて何を省略してるのかほったらかしというモンダイも出てしまったけど。
何かの本質を掴むためには、こーいう超どうでもよさそうなことが全くどうでもよくないと独学を続けていく過程でわかったので、遠回りに見えることの方が実は最短ルートであるというのも、今だからこその知見だなぁ。
とりあえず、数学史の見取り図ができてから金融だのファイナンスだのに戻ろうと思います^_^