(超のつく博識美術史家バーバラ・スタフォード。最近新刊ないので、前々から気になっていた編著を取り寄せてみたところ、たしかに編集はしてるけどこれ、「啓蒙事典」だったのね。これはこれで大変オモシロそうなのでいいんだけど、全体の半分くらいをRoy Porterさんが書いてるんじゃない?というくらい、その署名記事が多い。元気だなーこの人)
ヨーロッパで面白いのは18世紀!という思いがあるので、カツ丼を頼んだつもりが天丼が届いちゃったような流れだけど、天丼も好きだからまあいいや、という( ´ ▽ ` )ノ
最近は哲学思想がことのほか面白くなり、「まず私はこの人の顔が嫌いだ」(©️三島由紀夫)な印象あったヘーゲルさんも、伝記から入ると「色々あったんだねぇ」と親しみわくとわかったし。
で、そーいう19世紀にかけてのみっちりした哲学思想に馴染んでくると、当たり前だけど、「その前の時代」から影響を受けてるんだな、とも感じられてくる。
さっきのヘーゲルさんなんかは、フランス革命の勃発をリアルタイムで経験してるし、終生その出来事を大事に考えていたそうな。
ドイツというと、ルター以降の30年戦争で国土が荒廃しきって、その反動としてライプニッツさんの外交官活動があったりはしたけど、それ以上のイメージはなかった。あとは地方自治のモデルだ、くらい。
でも段々と見えてきたのは、当時のドイツは国としてまとまってないどころか分裂もいいところ、経済発展もままならず、ヨーロッパいちの「後進国」というのが、内外の客観的評価だったそう。
それだけに鬱屈していたヘーゲル青年も、フランス革命で「すごい! 人間にはこんな可能性があるんだ!!」と燃え立ったそう。
自分の中に、ヘーゲルという、なんか重た〜い思想を扱った人と、フランス革命の知識は結びついてなかったけど、ハハァ、そんなことがあったんですか、という。
そうしてみると、ヘーゲルの影響を受けた人は多いから、その人たちだってフランス革命に影響を受けたと言えば、言えなくもなくもない。なくなくない。
そういうアンテナがちょうど立ってきた頃だったので、この『ブラックウェル啓蒙事典』は、ちびちび読み進めるのにオモシロそう。
あとは最近、ピコピコ系だとかその他のなんやかんやで実用一点張り、フォローすることの多さにいささか中だるみ状態だったので、どこから読み始めてどこでやめてもいい辞書辞典のたぐいは読んでみたかったところ。
肝心のバーバラ・スタフォードさん、寄稿者一覧に名前が載ってるんだけど、署名記事が全く見つからないので、編集の方に力を入れたのかな。それにしてもロイ・ポーターさんは書きすぎな気もするけれど( ´ ▽ ` )ノ