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[タカヤマ学派のブログ]マンガとアニメーションと人文を脱線(Digression)でつなぐブログーーだったのが、現在は語学人目線で理数系にガチチャレンジ中の内容増えた。あと「文系と理系を両方マジで取り組んでみた」など。理数系とピコピコの話題多め。あと学魔・高山宏の影響を受ける「タカヤマ学派の1人」らしい。その方面では主に経済学担当。(2020年8月に追記)
by ulyssesjoycean
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ラスキン先生の「理想の建築」、スケッチはないんでしょうか

ラスキン先生の「理想の建築」、スケッチはないんでしょうか_d0026378_11370395.jpg
(フランスの描き手には「絵力」に脱帽させられるけど、このフランソワ・シュイテンさんの『闇の国々』には参った。かけた時間と労力もすごいのだけど、かといつて「時間と労力をかけたら出来る」ものではないと思う。ズッシリしたオブジェのような造本も素晴らしい。小学館集英社プロダクションから出てたけど、残念なことにいまは在庫切れみたい。)

これまで興味なかった建築について多方面から攻めているけど、ラスキン先生のお話を聞いていて、「この人、『自分の理想の建物』を描いたりしなかったのかな」というのが頭をよぎる。

というのもラスキンさん、ゴシック建築をベタ褒めしながら、ラスキンさんと同時代、つまり19世紀の建築の風潮をこれでもかとやっつけている。

実際、19世紀は哲学の方面でもニーチェさんがハードコアなアプローチしてるし、キルケゴールさんはホントの信仰心はそんなものじゃないとパンクロッカーばりの戦い方。

実際、19世紀ヴィクトリア朝時代のキーワードはRespectableだったらしい。尊敬されうる、みたいな意味かなと思ったら、これ、「体裁だけ取り繕う」とか「お体裁屋」みたいなニュアンスが多分にあるんだって。

ラスキン先生は信仰心に篤いひとだから、そういう風潮はイヤでイヤで仕方なかったろうナー。

ラスキン先生の話は禅問答みたいでアレアレ?と思うこともあるけど、要は「体裁ばかり取り繕ってどうする、美しいものを作ろうと取り組む『心意気』を大事にしろ」と言ってるのだろう。

ニーチェさんも過激かつ極端なこと言ってるけど、それでも現代までちゃんと読者がいるわけだから、ラスキン先生の怒り方も、おんなじように心に訴える部分がある。たしかに、「仕事」ってなんだろね、みたいな。

それはそれとして、ラスキン先生は「理想の建築」をスケッチしてないのかな。建築は誰でも携われるもんじゃないから、こんな好きだったら紙の上で理想をまとめても良さそう。

実際、ラスキン先生のスケッチの力はズバ抜けてるので、画力的には図面を引くのも、図面からスケッチ起こすくらいはわけないだろう。実物を見て図面に起こせる人なんだから。

「自分だったらこう作る」というのは、これだけの教養と画力と知識ある人なんだから、考えてもおかしくなさそう。自分だけの夢の建築、みたいな。

それでつい、『闇の国々』を思い出したんだよね。メディア芸術祭でもその正確無比な描線を見て、「ダメだこりゃ、この手の絵では一生かないっこない」という愕然とした気分に。

シュイテンさんがあれだけカッチリ描ける人だからこそ、ペータースさんと組んで荒唐無稽な絵面を作れるのだろうし、緻密に描けるからこそ大ボラが生きる、みたいな。

その点、ラスキンさんはどうされてたんだろう。実力的にそんな理想の建築を描くことはお手の物だったろうけど、潔癖な人みたいだから、そんな無益なことをして何になる、と言われても、ま、そうだなと。

その辺りが良い感じでフックになって、建築にも興味が出てきたのでありがたいです。「キョーミないことの方が、むしろ発見ある」というのは案外こういうことかな。

by ulyssesjoycean | 2017-12-08 11:36 | Comments(0)
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