ここのところ無沙汰が続いていた視覚系の著作であるが、久しぶりに手に取ったのがこの
『エモーショナル・デザイン』(新曜社)。昨今の
「アフォーダンス」理論とはまた一風変わったデザイン論であった。

良いデザインとは、人間のどのような部分に働きかけるのか――それを認知科学的な観点からわかりやすく記述していく姿勢には好感を持ったし、事実オモシロイには違いないのだが、読中、一度も
「Wunder(驚き)」を覚えなかったのが残念である。
「Wunderbuch(驚異の書)」ということですぐに思い出すのは、バーバラ・マリア・スタフォード氏であるが、氏の『
アートフル・サイエンス』に、また新しい図版を教わった。カスパール・ダーフィット・フリードリッヒという画家らしいが、この荒涼とした画風には趣きがあってなかなか良い。


(『ヴィジュアル・アナロジー』の表紙にもなっている『氷の海』)