頭の中にあまりにベストなものがあると、それが表現できるかしらっていうプレッシャーがかかるんですよ。
(浦沢直樹 『プロフェッショナル』 NHK 3月15日放送分)
自分で最初に画のまねごとをはじめたとき、何度も見ているはずのものが、まるで画として出てこないことに驚いた。
シロクマが雑巾がけをしているようなシーンがあって、回数的には何十回と見ているし、同じポーズを実際にやってみろって言われたらできるはずなのに――それが線として引けない。これがすごく不思議だった。
そのポーズも、どういうのか、ある時ふっと描けるようになったけれど、いまだに
「頭の中にイメージがある」という状態にまでは至っていない。
頭の中のイメージを画に置き換えていくというよりは、線を引いてアタリを取ってみるんだけれど、その画にどうも整合性がない。どんな形だか自信がないものほど、描線がとぎれとぎれになる傾向があるみたいだ。
絵コンテが描けるようになる日は遠いなぁ。