むこうの本を読んでいて何がいちばん困るかっていったら、歌。本とか映画ならまだ調べようがあるけど、歌が出てくると、もう手の出しようがない。今回
『図説マザーグース』を手に取ったのも、そんな理由から。
そうそう、これってマザーグースなんだよな――というのが、
「ピーター・パイパーの早口言葉」。原文はこんな感じ。
Peter Piper picked a peck of pickled pepper.
で、これを
「語呂ツキ」翻訳の達人、柳瀬尚紀氏が、
「ピーター・パイパーぴりぴりぴりから辛子噛み噛みひーひー悲鳴」と訳してらっしゃる。すごい!
『ユリシーズ』の第八だか第九挿話に、たしかこの一節があったはず。どこだったかなぁ――とは思いつつも、今は
「キルケー」挿話の精読にかかりっきりなので、ヘタに他の話を調べはじめたりすると、わけがわかんなくなる。
それにしても
「キルケー」は長いですな。いくら最長のエピソードとはいえ、読んでも読んでも終わらない。こんなのよく書いたなぁ。
(ジョイスを愛読していた小説家のアントニー・バージェスも、「全体を通読したのは三回しかない」と言ってたけど、そりゃもっともだという気がする)