先日、たいへんオモシロイ
『ハムレット』論を聞くことができた。
冒頭、真っ暗闇で
「誰だ!」と誰何(すいか)するあの戯曲こそが、近代のはじまりなのだ――という、すごいスケールで、そこからハイデガーの
『世界夜(Weltnacht)』に話はつながり、最終的には、
「劇中劇」という、入れ子構造のメタフィクションに行き着く。
その新鮮な切り口にも度肝を抜かれたのだけど、一番印象にのこったのは、ダニエル・マクリーズ
『ハムレットの劇中劇』と題された一幅の絵。残念なことにサイズが小さくてわかりづらいんだけど、ひとりひとりの視線が交錯していて、それを読み解くのがすごく楽しい。
ほかにもハムレット関連で、志賀直哉の
『クローディアスの日記』や、トム・ストッパードの
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』といった書名を教えてもらった。
復讐物語とも言えるハムレットだけど、それを復讐される立場から見るとどうなるか――という、メタフィクション作品らしい。うーん、楽しみだ。