『電脳コイル』の絵は、一見とてもシンプルなのに、いざ描いてみるとなかなか似ない。
なぜだろうと考えながら描いてみると、目鼻だちに独特の様式があるからじゃないか――ということに思い至る。
目の表現というのは、作家なら誰しも気を配るところだろうけど、
『電脳コイル』はそれが特殊。目とまつげの表現が、だからこそ模写しにくい。
特にまつげがねぇー。普通だったら、目玉を描いて、それにちょんちょんとニュアンスをつけるだけなのに、そうしない。眼球と一体化したまつげの描写。
これが実際描いてみるとものすごく面倒くさい。ただの目ならまだしも、これがあるおかげで、全体のバランスをとるのがすごく厄介になる。
それと鼻。日本人の特徴をよくつかんだ――とは言い条、これもまた、ある程度の画力がないと――ということはつまり、自分の画力では、トータルバランスを考えてちゃんと描けない。
だから結局描けるのは、デンスケだけということになる。描きやすいのは、たくさん練習したから――ということでは、どうもないらしい。描けるっつったって、顔だけなんだけど。
そういえば、この間、ブルドックの後ろ姿を見たら、後ろ足ってこんな感じになってるのね。バセットハウンドとフレンチブルドッグだけは、実物を見てスケッチしたいなぁ。