ゲーテにはついにノレなかったなぁ。
いま調べている観相学関連で、ラファーターと昵懇(じっこん)の仲だったというから、こりゃ読んでおかないと――と思って
『ファウスト』(集英社)を手に取ったけど、これがもうツライのなんの。
文章はドイツ文学の第一人者池内紀(いけのうちおさむ)氏が訳されたものだし、山本容子氏の挿画もすばらしいんだけど、肝心の内容が――
「若い頃に戻りたい」って話なんだから。ちょっとそれはどうだろう――と思うだけに、あとはもう、
「目を通した」というだけになってしまった。
ただひとつ、一番有名なセリフ、
「時よ止まれ、おまえは美しい」が、新訳では
「時よとどまれ」になっているのが興味を引いた。
「止まれ」と
「とどまれ」ではずいぶん印象が違うけど、原典ではどんな動詞が使われているのだろう。
自分の乏しいドイツ語の知識で言えば、
「とどまれ」だと
「bleiben(ブライベン)」になるんだけどなぁ。