あらためて
『ラブロマ』全巻を細部まで読み込んでみると、とにかく
「服装」の引き出しの多さに驚かされる。
服が好きだから描けるかっていうと――やっぱりどうしても
「自分の好きな」というところに限定されてしまうと思うんだよね。
たまたま通りがかったデザイン学校の展示会で見た、チアリーダーのものなんか、シルエットデザインがオモシロイと思ったので即座に記憶したけど、あとは――
ああっ! うまく描けない! なんかエプロンみたいになってしまった。これも街中でふっと目に入ったのを記憶しただけなんだけど。
今からすると、インナーの袖丈をちゃんと覚えてなかったなぁ――とかとか。あんまジロジロ見るのもヘンだしね。
でもそういう風にして、観察の結果、ある程度頭の中にイメージとして残ってないと、いざ描くとき、さっと出てこないんじゃないかなぁ。
キャラクターの年齢・性別・嗜好によっても、着るものは違うだろうし。そういう膨大な蓄積がありそうで、作者のとよ田氏には、ただただ敬服。
そのときになってから資料を見て描いたって、それは頭の中で熟成されてない分、魅力のないものになってしまうだろうしね。
でもひとつ気づいたのは、とよ田氏の描く服はみんな、やたらに襟(えり)がデカイこと。これも
「思い入れ」のひとつで、自然、こういう描き方になっちゃうんだろうなー。