あんまり期待せずに、
「まぁなー」ぐらいの気持ちで手に取った押井守(編著)
『アニメはいかに夢を見るか』(岩波書店)。これがオモシロイんだよ! びっくり。
基本的には公式サイトにアップされた文章のリライト+再録が中心なので、それだけで
「本読み」としては多少ゲンナリしたのだけれど――全体の構成がすばらしい。
見開きページ単位で構成される紙面に、右が文章、左が図版という形で、これが日本語の
「右→左」という視線の流れに沿っているので、読んでいて実に気持ちがいい。
絵コンテ等の例外を除き、基本はフルカラーだし、本文下部に指定された脚注部分への図版の挿入も見事と言うしかない。
これを1600円でやりますか!ということにまず驚くし、右に本文、左に図版という、こーんな簡単なことだったのか!と、目からウロコ。
『ボディ・クリティシズム』(MIT press)の原書を手にしたときも、その紙面構成にショックを受けたけど、この小体(こてい)な一冊にも同様な驚きをおぼえる(言いすぎかな)。
毎回激ホメしている
『季刊エス』(飛鳥新社)も、図版をナナメに傾けただけで視線に動きが出るということを教えてくれた(ので、当ブログの画像も、全て5度傾けております)。
案外、すごいデザインは、ふっとしたところから
「それかー!」ということを見せてくれるので嬉しい。
――といったことを言葉だけでつらつら言っていても仕方ないので、読了し次第、
「こんな感じの構成でした」ということを、図解してみようと思う。そう思わせてくれるぐらい、ちょっと
「やられた」なー。