どんな本でもまずは立ち読み――という流儀(?)から
『季刊エス』(飛鳥新社)を手に取ると、これがもう、打ち震えるようなすばらしい企画。
特集は
「Lily's Garden」ということで、どうかいな――と思っていたけど、これでこっちの少女マンガ研究熱が再燃。
先日、本当にふとした機縁から、卓抜な少女マンガ論(文)を読む機会あり、それを読んで、なるほど、少女マンガをやるにも、マンガだけ見ていてはダメ――という卓見があったから、その意味でも、今回の
『季刊エス』は垂涎の内容。
でも、別にこっちは
「語る」ことに主軸があるわけでなくて、絵柄の魅力や描線とか、そういう技法的な部分の方が、調べていってオモシロイんじゃないかな――と。絵も多少は描けるようになったわけだし。
せっかくの機会なので、これはフランス語で説明して、ディスカスすることで、また何か新たな発見あればと思う。
夏目房之介氏ではないけれど、それが当たり前でない人たちに向けて話した方が、
「それは考え付かなかった!」という着想を得られるんじゃないかな――と。
もっとも、ちゃんと説明できるかいな――ということはあるわけだけど、こういうときに
「絵」というものが絶大な効力を発揮する。
そうした機会あるたびにビックリするんだけど、絵にすれば必ず
「伝わる」というのは、考えれみればすごいよね。言葉が出てことなくても、絵にすれば通じる。
これを教えてくれたのがバーバラ・スタフォード氏で、氏の
『グッド・ルッキング』(産業図書)を読んで、
「これからは、絵が描けないとどうにもならない時代が来る!」と直感したけど、自分事で言っても、これは正しかった。
あとは、資料も
「絵つき」にすると、皆さん、喜んでくれますな。これは押井守氏の企画書の書き方から学んだこと。
「文字だけの企画書なんて誰も読まないよ!」という。
それだけ喜んでもらえるとこっちも感激するけれど、同時に、そんな珍しいんかなー?!とも思ってしまう。
「絵を描く」というのは、どのお国でも非日常の行為なんだろうか。