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カテゴリ:グルンステン×高山宏( 7 )

グルンステン×高山宏(1)

 ご要望をいただきましたので、今回は特別に、明治大学にて昨日行われましたシンポジウム『ヴィジュアル・カルチャーと漫画の文法』のレポートをお送りいたします。
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 今回のシンポジウムは二部構成、一部が高山宏×荒俣宏の「ヒロシーズ」(笑)、二部がグルンステン・竹熊健太郎・伊藤剛の鼎談という格好で、前半が視覚文化論、後半がマンガ論という感じ。

 まー、アラマタ先生が飛ばす飛ばす(笑)。グルンステン氏が著書の中で(タカヤマ学派にお馴染みの)「観相学」に言及していることから、あとはそれをテーマに「目鼻」に着目した独自のスライドショーをおっぱじめる。
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 イエローキッド(Yellow Kid、スケッチ参照)が一見、東洋人のように見えるけれども、実はこれが移民差別に根ざすものだ――というところから、整形美容に話が進む。

 鼻の大きさ、耳の大きさが、結果、ユダヤ人差別につながる歴史を、魔女の容姿からバーバラ・ストライザンドの登場へとアメリカ文化史を展開。
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 結果、ある国籍(この場合はアメリカ国籍)を手に入れるため、その国の国民として受け入れられるため、美容整形へと至る、そういった「心情」を、多彩な図版を使ってドシドシ説明していくんだな。

 このあたりでやっと高山宏氏にバトンタッチとなり、やはり「顔とはなにか?」というタカヤマ学のテーマで、Characterを「キャラクター」と単純にやってはいけないんだ――と。
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 もともとは「線」を意味するCharacterが、近代へ至るにつれて「性格」という意味合いを帯びるに至ったのはなぜか――それをマンガ論がおさえなきゃいかんでしょうと。

 ――ここまで相当はしょって書いてきたんだけど、お二人のトークはまだまだ終わらないので(汗)、当日、手元でささっとメモしていたスケッチブックの枚数で言っても、あと4ページはあるよ。
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 ちょっとこのままではいつ果てるともなく続いてしまうので、今回はとりあえずここまで。

 だってねぇ、当日持っていったスケッチブック、けっこうページが残ってると思ったのが、足りなくなったから。本当に、はしょりにはしょって、第一部の半分も終わってないんだからなー。
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 (一応、今回は(1)としてお送りしましたが、次回以降、下手すると相当な回数になるので、ちょっとどういう風にアップするか、考えます。だって終わんないよー、これじゃー(T-T)!)
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 08:57 | グルンステン×高山宏 | Comments(2)

グルンステン×高山宏(2)

 (前回の続き)高山宏氏が「キャラクター」という話を始め、そこから「顔学」というものへ移行。
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 医学には疎いけれども、「ヒポクラテスの誓い」というものがあるらしく、要は、自分は医者となる以上、「美」には関わりません――という誓約をするそうな。

 逆に言えば、そうした誓いをしなければならないほど、太古の昔から、整形美容への誘惑は強かったわけで、当日は名前が出なかったけれど、この文化史をやっているのが、サンダー・L・ギルマン。
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 そうした美/醜の理論といったものがどーんと出てくるのが、よりにもよってフランス革命(1789)前後なのはなぜか、そうしたところから、ベルギー人(?)のユンベール・ド・シュペルヴィルの名前が出てきた。

 ここでまた話者がアラマタ氏となり、そうした倫理的な観点から整形美容に行かなかっただけでなく、もうひとつの理由として、当時(18世紀以前)の外科医はみんな、床屋だったということになる。
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 また、整形したからといって、魂までを変えることはできない、また、整形しても、その結果は子孫に伝わらない――というのが、大きなバーとしてあったそうな。

 この辺からやっとマンガ論に移って、マンガ家として考えた場合、鼻を描くのが非常に面倒だし難しい――という議論になっていった。
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 要は、リアルな造形にしていくことで、小鼻までつけた絵にすると、可愛くならないとか、だからこそ鼻そのものを、マンガという媒体の中で整形美容してきたのではないか――という、すごい話。

 ここから、内田春菊氏の「でんこちゃん」、芥川の短編『鼻』『トリストラム・シャンディ』といった名前が出て、「鼻」についての議論はひとまずここまでとなって、次は「目」に移る――という次第。
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 目の方は時間的な制約もあって、ある程度はしょった話となり、一体、何を見ているのか――というところから、某国の総理大臣二名のポスターが出て、会場がどっと湧いたな。

 ルイス・ウェインというネコ画家の話から、まなざしには精神の問題も関わってきて、最終的には、日本の江戸時代、測量技師のマスターすべき技術として「空眼(くうがん)」という話に。
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 この辺ですでにして1時間30分はオーバーしてるから(笑)、観客としてもいいかげんヘロヘロ。「空眼」とは畢竟、人相見が客を呼び込むときの目ではないか!――なんていうところで第一部がお開き。

 ほとんど、アラマタワールドだよね(笑)。今回が初のアラマタトーク体験だったんだけど、気さくなお喋りと圧倒的な図版セレクションには驚倒した。
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 実はこの「華々しい」「鼻話」が、後半、グルンステン氏の発話とも関わりが出てきて、これはおおっ!と思ったんだけど、それはまた次回に。 
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 08:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(0)

グルンステン×高山宏(3)

 (前回の続き)「ヒロシーズ」終了後、15分ほどの休憩をはさんで、いよいよお待ちかね、グルンステン氏の発表に入った。
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 日本で講演するということもあって、発音明瞭、スピード的にもかなり分かりやすく話して下さり、8~9割方聞き取れたのはありがたし。

 内容としては、訳書の出た二冊(『線が顔になるとき』『マンガのシステム』)を執筆するに至った動機、そこからルドルフ・テプフェールへと話が進む。
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 氏の発表でキーワードとなっていたのが、「ペルマナン」。そこで急に話が分からなくなったので、なんだろう?と思っていたら、「permanent」、つまり「パーマネント」ということ。

 たとえば絵画であれば、ある人物を描いても、その一回で済むが、コマを連続させる場合、「その人物がその人物だと分かること」と、「その人物だと分かった上で、種々の感情表現をさせること」、その二点が難しいところだ――という。
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 その人物が人物だと分かること、これを「ペルマナン(恒常的)な要素」というわけ(だと思う)。

 聴いていてオモシロかったのは、「identifier」とは言わないんだな――ということ。その人がその人だと分かる――というのを自分の語感で言えば「identification」になるけれど、そうした言葉を使っていないことに、まず興味を引かれる。
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 そしてまた、氏の考えでは、マンガにあってはやはり「絵」が第一要素だ――ということ。当日のスケッチブックを見ると、「essentiellement visuel!」と氏の言葉がメモされている。

 その例として取り上げられたのが、牛。牛が並んでるだけなんだけど、これが妙な味があってオモシロイ。1880年代の作といったかな?
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 この先、コマの運びと「articulation」という言葉を使いながら説明していくんだけど、これまさに「認知科学」的な視点が入っていて、そうした点から補強していくと、これはもっとオモシロイことになるなぁ~というのを、グルンステン氏の発表を聞きながら痛感した次第。

 内容以外で興味深かったのは、グルンステン氏の年号の言い方。「1840年」を、「ディズウィット・サン・カラント」という風に言っていたな。
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 これは「18×100+40」といった言い方で、自分も前はそう言っていたんだけど、こうした場合、「ミル・ウィット・サン・カラント」と言うように複数の方から指摘されたから。こっちは「1000+8×100+40」という数え方ですな。

 自分の乏しい知識で判断してはいけないだろうけれど、氏の故郷ベルギーではそういう風に言うのかな――なんて。これは本当に余談だけれど。竹熊氏+伊藤氏についてはまた次回(いつまで続くんだー!)。
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 07:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(0)

グルンステン×高山宏(4)

 (前回の続き)グルンステン氏の発表がひとまず終了し、竹熊健太郎氏と伊藤剛氏のプレゼンテーションとなった。
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 竹熊氏はずっと実作の分野に関わってきて、アカデミシャンではないのだけれど、時代の流れで大学のセンセーをやっているのです――なんてところから。

 多摩美でも授業を持っていて、それでまた受講生が数百人もいるのではレポート評価は断念、美大だから絵の描けない人間はいないだろう――ということで、「時間の流れ」を感じさせる「マンガ」を課題にした由。
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 そうすると1割ぐらい、商業誌ではお目にかかれない、ヘンなマンガが出現して、これは大学でマンガを教えるということのひとつの意義ではないか――ということだった。

 写植にしか見えないけれど全部手書き(!)という、「ケータイ着信音マンガ」あり、それに想を得たのか、フォントだけでどこに誰がいるか分かる「ジャン卓マンガ」が紹介された。
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 これはなんだ?!という驚きがあったのは、三つ目の作品で、布団に入って寝る、その眠りに落ちる過程をマンガにしたもの。

 模式図を描こうかと思ったけど、女性が布団に寝てるのを足の方からパースをつけて描くというのは、現在の自分の画力では覚束ないので(T-T)、申し訳ないことに文章だけでの説明でひとつ。
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 要するに「マンガ」だから、「コマ」を割ってあるんだけど、そのコマとコマの間、いわゆる「間白(まはく)」にウナギが登場してくるんだよね。

 そして眠りが深くなればなるほど、いわゆる無意識になればなるほど、その間白が大きくなって、最終的には間白だけで話が終わる――つまり完全に「寝入った」状態となる。
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 これはヘンだなぁ――と思って感銘を受けたんだけど、竹熊氏が講座を持った初年度の学生氏の作だとかで、評価基準が定まってないときにいきなりこれが出ちゃったもんだから、いまだとずっと高い評価になるんだけど、すいません――なんてのが落とし話だったな。

 今、こうして書きながらしまった!と思ったのは、竹熊健太郎氏に『ファミ通のアレ』読んでました!と言い忘れたこと。ファミ通連載マンガ史上、ぶっちぎりの「どうかしてる」度合いで、やっぱりプレミア価格がついてるみたい。
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 ――といったことを思い出してゲンナリしたところで、次回はやっと伊藤剛氏の発表か。一日のシンポジウムの内容をまとめるのに一週間かかるとはどういうことだろう。
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 07:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(0)

グルンステン×高山宏(5)

 (前回の続き)「伊藤でございます」の第一声によってはじまった伊藤剛氏の発表。前段の竹熊氏の流れを引き継ぐようにして、やはり話題は「コマ」について。
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 特に少女マンガのコマ割りに着目して話を進めていったんだけど、やはり眼目は、コマとコマの「間白」、そこに書き込むのはなぜか――といったようなこと。

 それを、夏目氏の分析を援用しつつ、レイヤー構造として理解しよう――などなど、このあたりから、グルンステン氏に話を伺いたい――といって、氏にマイクが渡された。
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 「おっ!」と思ったのが、グルンステン氏は、マージナルなものから理論を組み立てることはしないようにしている由、やるのならば、その理論に反証するようなものとして、それを検証するために参考にするのだという。
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 (注:伊藤氏が図示したのとは異なります。正確なタイトルを失念したので(T-T)!)

 あとは伊藤氏がプレゼンで使用した谷川史子氏のマンガも、コマ割りとしては了解可能で、むしろ、「少年少女の見分けがつかない」(笑)ことだという。
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 それでまた、アクションが極端に少なく、あとはサイレントで話が進むから、これはBDでは一般的に逆の比率にするのではないか――など、ちょっとした「違和」をおっしゃってくれたのが、実に興味深かった。

 あとは、荒俣氏がさかんに述べておられた「鼻が描きにくい」というのが、西洋人の自分としては「なぜだろう?」という印象を持った由。
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 こういうオヤジキャラならともかく、自分でも鼻を描くのは厄介だと感じていたので、グルンステン氏の発話におおっ!と思ったけれど、残念、相当ヘロッていたから、骨子をいまひとつ聴き取れず、これは残念だった。ちゃんとメモを取っておけばよかったなー。

 要は、顔を線として捉えた際、雑駁に言って、BDと日本マンガでは、グルンステン氏の言う「ペルマナンな要素」が異なるのではないか――ということだと思う。日本読者にとって、(一般に)BDがとっつきにくい印象あるのは、こういうところも関係しているのかもしれない。これは今、書きながら思った自分の感想。
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 ここで本来的には質疑応答に移るはずが、相当時間がおしていたので、若干ムチャ振りといった感じで(笑)、夏目房之介氏にマイクが渡された。

 ポイントは二つ、「線の両義性」「自分の記憶の中にあるコマ」という話であったけれど、これは『マンガのシステム』を読み込んでいくと、もっとはっきりするかな。未見なので、「記憶」という指摘には、夏目さんスゴイ!と心の中で喝采を送った次第。
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 この辺、文化とも関わりが出てくるので、本当は高山先生にやっていただきたい――なんて(笑)、やりとりがあったりして、ナツメ・アンド・タカヤマ両氏のファンとしては嬉しかった。

 そしていよいよ次回は、高山氏のシメのお言葉。タカヤマ学派としてはよく分かったのだけれど、あとで聞いたら、門徒以外には「???」だったらしいので(笑)、その辺もフォローできればと思う。
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 06:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(4)

グルンステン×高山宏(6)

 (前回の続き)そしていよいよ「学魔」の登場! 本来的には最後の15分間でグルンステン×高山宏というコーナーが予定されていたんだけど、時間の都合で、氏のまとめトークとなった次第。
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 ところがそれがすごかった。要は自分も最後に「顔」の話をグルンステン氏としようと思っていたところ、アラマタ氏が第一部で全部やってしまったから(笑)、どうするんだ?!と思っていたところ、「時間が僕を救いましたねー(笑)」なんて。

 そうなればそうなったという風に話していくのが「口舌の徒」としてのタカヤマ語りで、結局は「フランドル」の話だったな。以下、氏の口吻を模して少し。
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 グルンステン(GROENSTEEN)の綴りからして、ベルギーの方でしょうが、僕が見るにはフラマンの方ですよねぇ~、それで本当はどういう風に発音するんだ?と失礼なことを聞いたわけです。

 フランドルの文化というとなんですか? ブリューゲルですか? (その後オランダの画家の名前がダダダっと続き)ユンベール・ド・シュペルヴィルですよ。
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 ご存知ですか~? ユンベール・ド・シュペルヴィル(といってグルンステン氏の方に向きなおる)。グルンステン氏が「?」な顔をされており、名前は聞いたことがあるが、読んだことはない――と。

 ちょうどそのとき、スタフォードの『Echo Objects』を持参してたので、司会の方にお願いし、同書中の図版で、シュペルヴィルの綴りと書名をグルンステン氏に確認していただいた。
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 これで殆ど「むちゃぶり」としか思えなかった高山氏の話柄がグルンステン氏に「つながった」。そのシュペルヴィルがやったことは、つまり「線と感情」の話だったな。上向きの線、下向きの線――これは何か、という話。
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 シュペルヴィルもそうだけれども、現在のマンガ論の枠組みとなっている部分は、ロマン派の時代(18世紀末~)に全部アイディアが出てるんだから、それを調べないでどうする――と。

 これは現在のマンガ論が欠いている「文化史的な視点」を指摘した――ということだよね。だからこそグルンステン氏のとりあげたテプフェールの観相学が大きな意味を持つということ。
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 まとめよう――と思ったけど、高山宏氏の話柄は、まとまりつかないな(笑)。こっちもファンだから、氏の持ちネタを楽しむ感じで聴いてしまって、ここだけすっかりメモがないよ。

 とはいえ、今回のシンポジウムで得られたものを、次回、自分なりのフレームでまとめたものを提示して、今『グルンステン×高山宏』は最終回。うわー、やっぱり一週間かかったなー。
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 05:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(4)

グルンステン×高山宏(7)

 本日はシンポジウムのまとめ。大変な長丁場だったけれど、収穫も多かった。
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 第一に、日仏での小さな「違和」の提示が興味深かった。グルンステン氏の言う、「鼻が描きにくいのはなぜか?」といったようなこと。

 なんでそうなるの?という小さな疑問を互いに投げかけあう段階で、まだまだ――というのとは逆に、やっとそういうことができる土壌が育ったんではないかなぁ――と。
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 いわゆる、ごく少数の人が、本の中で提起するだけでなく、一般に開かれた場であれだけの人が集まったわけだから、こうした違和感を提示するのは、やれるだけやっていった方がいい――と素直に感じた。

 第二に、コマの研究は、今後「認知科学」に進むべきではないか――ということ。
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 竹熊氏、伊藤氏、さらにそれを受けてのグルンステン氏の受けこたえも、これ以上先へ進むためには、認知科学の知見が必要になるのではないだろうか。

 コマの「間白」というのも、自分の乏しい知識からの類推で言えば、「錯視」との接点がありそうだし、夏目房之介氏の言う「視線誘導」も、こうした分野から研究した方が、より有用性が高いのではないか――
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 名著はたくさんあるけれども、それこそ同分野の研究者を招いて、または、マンガ研究者でそっちへ出向くなり、人材の交流があればすばらしいな――と。

 鈴木光太郎氏という、その名も「光学」的な、自著も翻訳もすごい!という方がおられるのだから、こうした人とのコンタクトの取り方は模索されても良いのではないだろうか。
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 先日話題にしたリーマン予想ではないけれど、数学者と物理学者が一同に介して、ヒカカン幾何学(漢字失念、Noncommunicative Geometry)にたどり着いたようなもので、こういう催しに今後期待がかかる。

 最後はやはり、「文化史」的なアプローチ。荒俣氏が多大なヒントを与えてくれたように、ヴィジュアルをテーマにした歴史学だね。
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 第一は擱くとして、第二は「科学」との接点、第三は「歴史」との接点ということ。マンガ研究も、「マンガ以外」の研究をしないといけない段階にいよいよ突入したのではないか――というのが、今回のシンポジウムを見て、まず感じられた。

 でまた、その両方に橋をかけてるモデルケースが、やはりバーバラ・スタフォードということになっちゃうんだよね。
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 博覧強記、しかもそれをまんまやっちゃうから、難解!ということになっているけれど、「言葉だけではいけない!」という主張は一貫して変わらないし、他ならぬ高山宏氏という千両「訳」者がついたわけだから、これはぜひに――という感じを持っているんだけれど。

 ただ本がどれもデカイからね(笑)。邦訳第一号の『アートフル』はビミョ~という感じだったし、その点では、邦訳第二作の『グッド・ルッキング』(産業図書)が、今までのスタフォード作品の「ベスト版」的あつかいで、これが入っていきやすかった。
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 産業図書の本は、見つけるのに手間がかかったけれど(申し訳なし)、もし興味関心があれば、『グッド・ルッキング』を入門編としてオススメしたい。
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by ulyssesjoycean | 2010-01-02 04:00 | グルンステン×高山宏 | Comments(0)