「実写版 逆境ナイン」を見て参りましたが、原作を知らない最近の日本映画のファンならば十分楽しめるデキで、ということは原作を知っていると少々物足りなく感じるというのは、こっちが日本映画のベストは
勝新太郎の
「座頭市 関所破り」(シロクマ注1)などいうスレた客であるからかもしれないが、それにしても
「逆境ナイン」で主役をつとめた
玉山鉄二氏のユニフォーム姿はキマっていて、久方ぶりに、
男前!という感じの役者さんですな。地声も渋く、これで腹式呼吸を覚えて大きな声での発声がよくなれば(映画では少々聴き取りづらかった。喉を使って大声を出すとスピーカーで大音量を出すように音が割れるので、やはり大きな声は腹式でやらないとクリアに聞こえない)、更に良くなるのではないでしょうか。「逆境ナイン」をやってくれた人だもの、成長を期待したい。
またこの映画での収穫は
ココリコの田中氏で
「野球は知らんが人生は知っている」ササキバラ・ゴウ役と最初に聞いたときは
、「それはいかがなものか」と思ったものでも、いやいやどうして、ハマリ役ではないですか。
それと中旬から各地の放送局で
「逆境の夏、日本の夏」というメイキングものが放送されるそうで、映画そのものよりは、出来方・作り方に関心のある人間としては、そっちにも期待。
やっと仕事もひと段落。例の映画逆境ナイン宣伝TV番組「逆境の夏、日本の夏」の追加情報です。
各地方局での放送予定の情報が入ってきましたのでお知らせし
ます。
ただ、STVだけはまだ調整中の様です。
一番大事なところがわかっていなくて、すみません。
FBS(福岡) 7/3 26:50~(放送済)
RAB(青森) 7/8 10:00~
CTV(愛知) 7/8 26:30~
YTV(大阪) 7/8 15:49~ & 7/9 26:25~
TOS(大分) 7/9 25:55~
KYT(鹿児島) 7/13 24:20~
MMT(宮城)7/18 25:20~
FCT(福島) 7/24 15:55~(島本和彦の感想文 7/5)
注:座頭市(ざとういち)。それまで泣かず飛ばずだった勝新太郎の大ヒット作。ヤクザのあんまが仕込刀を逆手にもってばっさばっさと居合いで斬りまくるそのスピード感あふれる姿には「いったい今まで見てきた時代劇というのはなんだったのか」と思わせるほどの素晴らしさ。アクションだけでなく笑いも充実していて、きれいどころと酒に弱いお調子者の市(勝新太郎)の姿が、実に嫌みのない、上品な笑いを提供してくれるあたり、唸らされるものがある。「関所破り」では、「三匹が斬る」の平幹二郎(ひらみきじろう)氏が出演しているが、この人も恐ろしく格好がいい(「二段斬り」には勝新太郎氏の実兄、若山富三郎氏が出演している)。盲人に対する使用語彙の関係で、現在テレビでは放送できないというのは無念の極み。