話題作
『悪の華』にはボードレールがどしどし出てくるということで、新潮文庫版の
『悪の華』(堀口大學訳)を並べて置いてる書店もあったりしますな。
こうした試みは大歓迎だし、また、あれだけ頻繁に言及されていたら、
「どんなんだろう?」と思う人は少なくないはず。
愛読するヘンリー・ミラーの
『The Books in My Life』(ニューダイレクション)には、本は熱烈な推薦を受けて読みつがれていくものだ――と、そんな一節があったな。
そういう意味では、柳瀬尚紀氏の著作には、その著作以上に、いろんな書き手を教えてもらったということで、その学恩に感謝。
吉田健一・加藤郁乎・吉増剛造、ファーバンクなどなど、数え上げていけばキリがない。篠田一士(はじめ)氏も、出てくる書名や書き手が、すごく気になる文章を書く人だった。
高山宏御大も当然そうなんだけれど、カバーしてる範囲が広すぎてフォローできない(笑)。でもあれだ、高山氏が言及していなければ、
『バリー・リンドン』を見ることはなかったかも。
本だけじゃなく、ジャンルを超えて作品に触れていくのがオモシロイ。もっとも、先日の
『小さな悪の華』みたいに、あまりの作風にへこんでしまうこともあるけれど(笑)。
マンガの方の
『悪の華』を読んで、ボードレールにも関心を持つ人がいたら嬉しいなぁ。そういいながら、こっちはボードレールの良い読者じゃないんだけどね。