石黒正数氏の
『ネムルバカ』を拝見。ああー、こういう作品だったのか。
音楽に必死な鯨井先輩と、どうしたものやらな後輩のやり取りは、
『それ町』とは違ってけっこう切実。
「なにかやりたい人」と
「なにかやりたいけどなにができるかわからない人」との差異が、石黒テイストで描かれるというもの。
ちょうど同じときに、猫十字社の
『小さなお茶会』を見つけて、例の
「数学の塔」を読んじゃったものだから、印象がかぶるかぶる。
数学の塔で一生を暮らすと誓った二匹のところに、外の世界から主人公たちがやってくる、それを見て、外の世界にいた頃を思い出して泣く――というのは、ずしっと来てしまう。
以前、
『人狼』を監督された沖浦氏も、同じようなことをテーマにしてらしたな。
「スーツを着た世界に憧れることもあるけど、こっちもなかなかいいもんだぜ」っていう。
どっちがどうというものではないだけに、うーんと唸るばかり。そういう作品を目にするのが続いちゃったなあ。
(アニメスタイルのインタビューを見ても、沖浦氏にそうした発言は見つけられなかった。アレー? 読んだ記憶は確実にあるから、だとすると『押井守全仕事』か?)