以前、必要あって血眼になって調べたものだったので、その関係書ということで、ついアドリエンヌ・モニエ
『オデオン通り』(河出書房新社)を読んでしまう。
シルヴィア・ビーチとアドリエンヌ・モニエという、二人の経営する二つの書店が、それぞれに1920年代の文士たちのたまり場になったというのは、文学史としても有名なエピソード。
それを読んでいてハタと気づいたんだけど、そういや、ジョイスの
『ユリシーズ』は仏訳を読んだことなかったな。
そのモニエが仏訳の計画を進めていた頃は、モノがモノなだけに、訳者から何からすったんもんだの騒ぎだったらしい。結果的には共訳になったんじゃなかったっけ?
それがいまやJacques Aubert氏が個人完訳をされているということで、これはちょっと気になるなー。ペーパー版だから、そうビックリしない値段だし。
(柳瀬尚紀氏の新作は、この『聖ニコラスがやってくる!』という児童書。児童書路線と、柳瀬氏にしかできないハードな人文書が交互に出てくれると嬉しいのだけれども)