なんだこのまとまり方はー!!とひっくり返った、
『ベデシル:バンドデシネの歴史』。ピクシブ(pixiv)のことはよく知らないけど、そこにアップされている、マンガ形式の通史だな。
バンドデシネという言葉の説明から、近年注目を集めるテプフェール、フキダシ形式が定着したのはいつか――など、その当時の作品をガッツリ折り込みながら、これ以上はない手際。勉強になります。
タンタンのシルエットが出たところで第一回は終わってしまったけれど、実はここからが一番知らないところなので、ぜひともこの続きが読みたい。
あとはあれだ、個人的に一番ビックリしたのが、ギュスターヴ・ドレ。国立西洋美術館で感激した話はちょっと前にしたけれど、どこかで名前を聞いたことがある――と思ったら、バンドデシネの歴史の中でだった。
本来はカリカチュアと言うのかもしれないけど、そうしたことはまったく考えずに美術館で震えるほど感激した体験が、もともと自分が関心を持っていたバンドデシネとつながるという驚き! 実にタカヤマ的な体験。
こういう絵画とはまるで画風が違って、そうしたことも含め、ギュスターヴ・ドレが自分の中でバンドデシネへの突破口となってくれそう。
あとは古永真一氏の
『BD―第九の芸術』(未知谷)で言及されていた
『ベカシーヌ』が、今回のベデシルではっきり読めるのは本当にありがたい。
(海外マンガに目を通していても、やはりこういう愛嬌のあるというか、可愛らしい作風のものにひきつけられる。
いくら上手くても、あまりハードな世界観になるとシンドイ部分があるので。やはり『とめはねっ!』に登場する、ピースのような雰囲気が好ましい)