年末ということで、各雑誌でベストマンガレビューが盛況。それに倣って、このブログでも、
「このマンガが(自分的に)すごい!」というのを選出してみました。
第一位:石黒正数
『外天楼』(講談社)
ボロアパート・外天楼(げてんろう)に集まる人々の因縁を描いた連作。重いテーマを扱いながらも、独特のギャグ、絵柄のクオリティ、完成度と、今まで読んできたマンガ体験の中でも、屈指の名作かと思う。
第二位:原泰久
『キングダム』(集英社)
アジアへの関心ということで教えてもらった中国史モノ。何も持っていなかった少年が腕っ節ひとつで天下を目指すという、これ以上はない燃える展開。少年マンガ的王道の展開がすばらしい。キャラがオッサンばかりなのもポイント高し。
第三位:エマニュエル・ギベール
『アランの戦争』(国書刊行会)
海外マンガ作品が相次いで出版される中で、ずば抜けてオモシロイ!と感じた一冊。原書を先に読んでしまったけれど、淡々とした筆致がたまらない。『ファン・ホーム』と同じく、海外文学ファンであれば、必ずや琴線に響く作品。年末年始はこれを読んで過ごします。
第四位:大武政夫
『ヒナまつり』(エンターブレイン)
ヤクザ・新田のもとへ転がり込んできた超能力少女・ヒナの珍騒動を描くギャグマンガ。全員の脱力しきった笑いがたまらない。来年のひな祭りにあわせて3巻も発売予定の由。ヒナに振り回されるクラスメート・瞳ちゃんにはまっすぐに育って欲しい。
第五位:吉本浩二・宮崎 克
『ブラックジャック創作秘話』(秋田書店)
本家(?)『このマンガがすごい!』で選出されていた一作。人間・手塚治虫のどちらかというと厄介な側面に焦点をあてたドキュメンタリー作品。これで秋田書店の名物編集・カベさんに興味が湧いた。もうヤクザそのものの描写なんだもの(笑)。
――ということで、以上の五作品が今年度は特に印象的だった。いつも女性作家のものしか読んでないけど、どういうのか今年はすべて男性作家になりましたな。