モンティパイソンシリーズでも一番の問題作という
『ライフ・オブ・ブライアン』、さっそく観賞しましたが、思わず
「大丈夫なの?! コレ!?」とビビってしまう内容。上映禁止になりまくったというから、大丈夫じゃなかったんだろうけど(笑)。
なにしろイエスの生涯を完全にパロディにしちゃってるんだから、そりゃキリスト教国ではマズイでしょうと。でもこういう冒涜パロディみたいなのがイギリスの文化の伝統だからなー。
自分がやった英文学で言うと、やっぱり聖書(The Book)は最強最大の
「テクスト」だから、作家としてはそこにチャレンジしたくなるみたい。自分の大好きなジョイスさんも、全部聖書を下敷きにした話ともいえる。
そんなわけで、ヨーロッパ文化を理解するための
「テクスト」として聖書はよく読むんだけど、
『ライフ・オブ・ブライアン』でも、あー、あそこのあれがこうなってるのかーと、笑うっていうより元ネタ探しみたいになったな(笑)。
ただ一方で、
「??」となるシーンも多く、ピラトがR音を発音できないっていうのは、あれ、なんか元ネタがあんのかね。ローマ帝国から派遣されているから、当時のエルサレム周辺の言葉がうまく話せないとか、そんな話があるのかどうか
たしか当時の共通語は
「コイネー」というギリシャ語で、ほんとの初期の聖書はそのコイネーで記されているらしいけど、なんかそこまでパロディが下りていくのか、ただの冗談なのかが掴みきれなかったなー。
ただいくら伝統といっても、それをここまでやる!っていうのが、すごい。前に島本和彦さんのラジオ聞いてたら、
「今から何言ってもいいって言われて、言える?」というくだりあったけど、やっぱ自分でブレーキ踏んじゃう気がする。
それをまずしません!というのが、モンティパイソンメンバーのスゴイところだなー。DVDにはありがたいことにコメンタリーがついてるので、この先はそれ聞きながら、ナルホド!という楽しみ方をしたい。