密室トリックの古典ということで
『黄色い部屋の謎』を楽しんできたけど、終盤で
「うう~ん」という感じ。その話、いま初めて聴くんですが?!という印象がどうしてもあり、モヤっとしてしまった。
あとはこれ、新版だけど新訳ではない、ということで、細部で
「おや?」という表現が目に付くのも、そうした印象に拍車をかけてしまったかもしれない。
読んでいて一番気になったのは、
「幅の狭いじゅうたん敷いてあって」(p. 209.)、一瞬、どういうことかわからなかった。これは端から端までぴっちり絨毯が敷き詰められている、ということだと思う。
数百ページに及ぶ翻訳原稿だから致し方ないと思うし、ただそうした箇所がちょいちょいあったので、ああ、新訳ではなかったのか、と気づいた次第。
久々に推理小説読んだけど、やっぱいいなー。文化史のテクストとしても、観相学・骨相学への言及がドシドシ出てくるし、以前から気になっていてまだ確認できていないドロシー・L・セイヤーズもちゃんと読みたいです。