相変わらず何の節操もない話題が続く当ブログですが、いやー、ボードレールの
『悪の華』、やっとその面白さが分かってきました。
フランス文学で詩といえばボードレールで悪の華でしょうということで、以前
『パリの憂鬱』(NRF)は購入していたものの、肝心の
『Les fleurs du Mal』には手を出していなかった。
それがFlammarionのGF版が異様に安かったこともあって、まずは資料として購入し、ちょいちょい読み進めていたんだけど、第一部のSPLEEN ET IDÉELがまるでピンと来ず、こんなものなのかなと思っていた。
それが第二部のTABLEAUX PARISIENS(パリ情景)に入ってからまるで印象が変わり、自分の乏しいフランス語詩への知識でも、情景が鮮やかに見えるし、言葉の響きも相まって、こりゃーすごい!と。
なーんだ、第一部が性に合わなかっただけか、ということで、そこからは割合楽しんで読み進め、そのあとの章も、冒頭で感じたような違和感は特になく、たまには詩を読むというのもいいもんだなと思ったり。
ただこれ、翻訳で読んだらどうだったのかな。英語フランス語については先に原文で読んでいることが多く、邦訳版が出ているのは知っていても、なんだか手に取りづらいというのがすごくある。
現に、
『ゲッサン』で連載されている
『レ・ミゼラブル』も、原作の印象が強すぎて、ヴィジュアル化されたマンガ版を読めないというか、読みたくない!という想いが強烈にあり、マンガ家さんには申し訳ないながら、大ファンだからこそ完全スルーになってしまう。