「失われた時を求めて、15秒要約選手けーん!」とモンティ・パイソンでネタにまでされているプルーストさん。要するにそれぐらい読んでる人が少ないという意味で有名な作品。
何しろ集英社の邦訳でもハードカバーで全13巻、またワンセンテンスが延々と続く独特の文章で、大半の人は読み通せない由。ハマる人はむちゃくちゃハマるようだけど。
何年か前に必要に迫られて全巻通読、時に英訳も参照するなど、ヒーヒー言っていた記憶あるのに、なぜか気になるという不思議な作品。アンドレ・モーロワさんのプルースト論など、とにかく素晴らしい。あれで興味が再燃した感がある。
いずれはフランス語の原書で揃えろうと思っていたのだけど、これがどういうのか、第1巻だけがアチラのAmazonでも久しく在庫切れ、ようやく先日になって、デカーイ丸善で買うことができた。
なんとなく寝つけない気だるい雰囲気で読むとよくわかるというのが持論だけど、実際にフランス語で読み始めると、単語の響きには相当注意して言葉を選んでいるようで、そういうのが読んでいて楽しい。
言うほどフランス語も難しいとは思わないし、思いの外しぜんに読み進めていけるのは、翻訳その他で目を通してるせいなのかな。
アンドレ・モーロワさんの言う「時間にたいする精神のたたかい」がわかってから、ナールホドと落ち着いた面もある。GF版は活字の大きさもちょうどいいし、しばらくは寝る前本になりそう。