英文学史の知識として、やたら名前の出るヘンリー・ジェイムズ。お兄さんのウィリアムも心理学者の先駆けだし、何かと話題が多い。
でも実際読もうとすると、英文が全くアタマに入ってこず、その後必要に迫られて邦訳で長編にいくつか目を通したものの、ファンにはならなかった。
それが今回、ふとしたはずみでこの短編集を読み始めたら、あれ? 読めるよ!と。『ねじの回転』はどうだか知らないけど、『デイジー・ミラー』の方は普通の文章で、はじめてジェイムズの英語がよくわかるという。
わかるだけじゃなく、これは面白いぞ!と、夢中になって読み進めるくらいなので、やっぱり出会うタイミングはあるんだなぁと感慨しきり。
英文学の恩師は、ヘンリー・ジェイムズとコンラッドを激オシで、そんなものかなと思っていたけど、この機会に二人の作品に目を通すのも悪くないかもしれない。