(「ヒストリー・オブ・アイディアズ」という、タカヤマ学派にはお馴染みの知性集団を率いたアーサー・O・ラブジョイさん。代表作を手に取った時期は哲学に対するアンテナがまるでない頃だったので、多少のメドがつくようになった今ならどうだろう。人間本性考のタイトルで名古屋大学出版局から邦訳が出ていると知らされる)
『存在の大いなる連鎖』が代表作ではあるけれど、出会いのタイミングがよくなかったか、また哲学のアンテナない頃だったせいか、またはその全部ということで、ラブジョイさんのご本を愛読するには至っておらず、申し訳なし。
とはいえそのLovejoyという名前が気にかかる。愛読してやまぬジョイスさんは、自分の名前にJoyが入っていると知って喜んだそうで、Lovejoyさんなんかそれを一層強めた名前に見える。
*気になって以前、デカイ英語辞書を引いてたら、Killjoy=興ざめ、という表現も見つかったりして
ーーというわけで、なんとなく気になりながら、そのまんまというお一人だったけれど、『アレハンドリア』を読んでいたら、「承認願望の観念史」を扱った書物として『人間本性考』が取り上げられていた。
近年、やたら耳にする言葉に「承認欲求」というものがある。流行りのアドラーから一昔前のマズローまで、人間の根っこに関わるモンダイとして「承認欲求」が主要なテーマに。
あまりにも頻繁に耳にする(し、またそれが大きなモンダイであるなぁとも感じる)ので、調べながらも唸っていたところ、なんと、思いもしなかったラブジョイさんがそんな本を書いていたとは。
あからさまにロックやヒュームを意識させる書名だけど、現代に話題になるテーマを半世紀前にさらっていたラブジョイさんはどんな風に取り扱っているのだろうか、俄然興味が湧いてきた。
名古屋大学出版局から邦訳は出ているけれど、やはり「ご本人の書きもの」が見てみたいとい思いもある。ロックやヒュームもそうだけど、哲学思想の本は原文で読んだ方が明らかにわかりやすいので、そうした狙いもあるんだけど。ヌー。