どれもこれもオモシロそうなのは
MIT出版局の著作物だけかと思っていたが、
リアクション・ブックス(Reaktion Books)も負けてはいない。高山宏をして、
「すげぇ!」か
「やられたっ!」と言わしめるのは伊達ではない。
MITが瀟洒な装丁の豪華本とすると、リアクションは随分すっきりした装丁で攻めてくる。まだ目録をネットでチラ見しただけだが、信じられぬような廉価で古本が出ていたので二冊ばかり購入。
上記の
『猿からアポロンへ』なぞ
「18世紀における美学と人種の概念」という副題が付いているあたり、
ラファーターの観相学とつながってくるな、との予感が働く。
『Representing the Republic』というタイトルは、
「人民の代表」とも読めるが
「共和国を表象化する」という意味もあるわけで、それがアメリカ合衆国の地図作成のプロセスを読み解く試みだと言われれば、ただ楽しみという他ない。
このリアクション・ブックスの中から五点、他ならぬ
高山宏氏の差配で研究社から翻訳が出ている。ちょっと表紙がアレな感じなので、高山宏の
解題だけ読んでそれで済ませるという、読者としてはまあ随分ヒドイ話もあったものだけれども、翻訳を含めた自著を
「ドラッグ」と呼称するするぐらいの高山本、それぐらい距離をとらないと
「あてられて」しまって後で大変な思いをするから、それでちょうど良い。またその解題が長いんだ、これが。大型書店には並んでいたりするから、興味のある方は手に取って、実際に読んでいただくのがよろしいかと思う。