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「志村、うしろ!」の脚本術、根本聡一郎『プロパガンダ・ゲーム』

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(アニメ監督の神山健治さんが紹介していた脚本術、思い切り分かりやすく例えると「志村、うしろ!」になるのだそう^_^  でも実際、読者や観客を引き込むタイプの作品はみんなこの「志村、うしろ!」テクニックの名人ばかり。今回読み切った『プロパガンダ・ゲーム』も、志村うしろの完成度に舌を巻いた。双葉文庫から税込710円で発売中。バージョン違いの電子書籍版もあるよ)


フランス語や英語のめんどくさい小説に日頃から向き合っていると、たまに爽快感や疾走感のある作品を読みたいな、という気分になる。


先日手を伸ばした『ボヴァリー夫人』の新訳はおよそそういう内容ではなかったけど、アルベール・カミュの『ペスト』は迫力が凄まじい。


ずっと以前に読んで未だに頭から離れない名作にヴァンダインの『僧正殺人事件』があるけど、ああいう打ち上げ花火的な世界はやはり印象が鮮烈。


ミステリーやサスペンス映画の「やられた!」感や、池上さんと関係のない方の「そうだったのか!」展開はこの手のものを楽しむ醍醐味だなー。


今回、縁あって読了した根本聡一郎さんの『プロパガンダ・ゲーム』も、この手の醍醐味本(*そんな言葉はない)で、夢中になって読み切った次第。


こういう「見ている人を引き込む構成」には、ちゃんとセオリーがあるんですよと教えてくれたのが、他ならぬアニメ監督の神山健治さん。


色んな例を使って説明してくれてたけど、『刑事コロンボ』が一番わかりやすい。番組冒頭で犯人と被害者(になる人)の経緯が語られ、事件が起こり、全てが済んだ後で捜査に現れるコロンボ。


犯人の動機もトリックも、そして冴えない忘れ物ばかりする刑事コロンボが実は相当なキレ者だというのを、スタートから全て知っている人間がただ1人いる。それが「観客」とのこと。


犯人の行動をコロンボは知らない。コロンボの洞察力を犯人は知らない。番組のラストでその二つの情報のズレが一致した時、観客にカタルシスが訪れるというーー


これを名付けて「志村、うしろ!」と言うわけだけど、なんだかコロンボの所でシリアスな語り口をしてたのがアホらしくなるような名称だけど、分かりやすいのだから仕方がない。


なるほど! 良い脚本はそうやって作るのか!!と気がついてから見ていくと、アニメ版の『ちはやふる』はこのテクニックの最高峰という感じすらする。


主要キャラクターが3人なのも「志村、うしろ!」を倍増させる効果が。主要女子Aと主要男子Bは知っているが、主要男子Cは知らない、とかとか。で、その3人の情報がピタッと一致した時、感動の波がドドーン。


で、肝心の『プロパガンダ・ゲーム』はどこへ行ったんだと、書いてる本人もいま気づいたような塩梅だけど、これがうまくできてるんだ。


ある種の情報戦を、正反対の立場のチームAとチームBが繰り広げる。チームAとチームBは飛行機で輸送される時のコング並みに隔離されてるからお互いが何をやってるか知りようがない。


で、読者だけは双方の様子を知ってるわけだけど、それぞれのチームに1名ずつ「スパイ」が紛れ込んでいる、というところがニクい。


『ちはやふる』で言う3人の関係を、チーム戦に置き換えると、チームA、チームB、そしてスパイのCがいる、と。


扇情的なタイトルが付いてるけれども、まずこの「志村、うしろ!」の巧みさに参りました、というのが第一印象。


実際、タイトル通りの方面に読んでいってもいいんだけど、それじゃ自分的にあまり面白くない。名作ゲーム『龍が如く』だって893の話だけど、お話の仕掛けから何から、それだけで通り過ぎるのはもったいない。


実際、根本聡一郎さんの『プロパガンダ・ゲーム』でも、小さいコダワリが徹底されてるので、そこが素晴らしいと。架空の固有名詞がテーマ的に統一されてるとか、ゲームとしてのルールに八百長はないとか。


尊敬するミヒャエル・エンデさんも、キャラクターのネーミングと作品の世界観は統一させてるからこそ、ファンタジーが「絵空事でなくなる」云々。やっぱ細かいところの統一感が大事なんだなーと。


夢中になって読了したのは確かだけど、ううーんと思うところがなくもない。というか、作者の根本さんは(電子書籍を別にすれば)これが商業出版第一号の由。


ふだん目を通してる分野とあまりに違うので、エンタメ系の小説に向き合うまで時間かかったけど、これは読んで良かった。


あとは何より、登場人物たちが不意に漏らす一言や独白が自分のツボだったなー。別に本筋のストーリーとは関係ないんだけど、ボソッと言う、もしくは内心つぶやく一言に気が利いてる。


なんでそういうミニマルなところを面白がるのか分からないけど、実際、面白いんだからしょうがない。


また、「チームA」から『特攻野郎Aチーム』を思い出し、飛行機嫌いのメンバー・コングをなんで例えに使ったのかも、「なんかそう思っちゃったから」ということで勘弁ねがいたい( ´ ▽ ` )ノ



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by ulyssesjoycean | 2017-11-22 12:00 | Comments(0)
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