ジムよ、最後の詰めはオメェがやれ!
オメェの年でよくここまで来た
オレはオメェに男として敬意を表してえんだ
(出崎統 『宝島』)
未来の理想(シルバー)が、現在の自分(ジム)を認証するセリフ――簡単に言うと、
「オメェはオレになれる!」だろうか。
ようやっと最後まで見ることができた
『宝島』。どういうわけかアニメーションに詳しい人にもほとんど知られていない出崎作品で、当然こっちも知らなかったわけだが――しかし
『ガンバの冒険』に勝るとも劣らない傑作である。純粋にキャラクターの魅力ということでいえば、
『ガンバの冒険』を超えるだろう。
特に、海賊シルバーの男っぷりのよさにはしびれるものがある。
『あしたのジョー』を演出した出崎さんだからこそ生み出せた唯一無二のキャラクターで、これはまさに、もう一人の
「力石徹」であった。