それにしても文章で人を笑わせるにはどうすればいいのか――と、いったことを考えている時点で、もはや人を笑わせる文章からは程遠いが、笑わせる文章を書いてみたい気持ちはある。実を言うと、ある、どころの話ではないのだが、そこは人間よくしたもので、気持ちだけではうまくいかないようである。
ただ、調べてみると、文章で人を笑わせるのが得意な人が、必ずしも話上手ではないらしい。以前、明石家さんま氏が
「ラジオに面白いハガキを送ってくるリスナーに会うと、きまって面白くない」と発言されていたのが妙に印象に残っているが、そういうものなんだろうか。
(文章で笑いと言えば筒井康隆氏。この人の『関節話法』を超える作品にいまだ出会ったことがない。笑いころげて死ぬかと思ったほど)
山田風太郎氏の
『風眼抄』(中公文庫)は、一読、破顔一笑となること請け合いの書物だが、氏の聞き書きを読むと、聞き手、つまりインタビュアーは大変な思いをしたという。
では島本和彦氏はどうなるか――と、思ったけれど、やっぱりあの人は特例なんだろうなぁ。よくよく考えたら、ラジオでもマンガでも、言ってることは変わんないし。