今回の
『電脳コイル』では、古い空間が増殖して、町全体が水没してしまうという――そういう本筋のストーリーはともかくとして、ああいう水の中に入ってしまったときの色づかいってのはどうしてるんだろう。
水の中は青くなるという見せ方だったから、色指定でそこだけ変えるんだろうけど、全体が青いトーンで統一されているとき、赤色は何色になって見えるのか――というのは、考えてみるとけっこうややこしい。
ぞんざいな図ではあるけれども、色の波長域っていうのは大体こんな風だから、赤も緑も、左側の斜線を入れた部分にしかあらわれない。
要するに、赤色だったら緑になるし、緑だったらより青に近い色が出るという――理屈はそうなんだけれども、人間の眼っていうのはそうは見てくれないらしく、必死こいて画面を凝視しても、
「水の中に入ってるな」という風にしか見てくれない。厳密に何色だかは、わかんないのだ。
(これもひと目で「夜だ!」ということはわかっても、実際に、ルパンやクラリスの肌色が色でいうと何色になるかは判然としない。それとも服だけかえるのかな?)
だからこそ、こういう作業をやってのけるアニメーションの色指定というのはおっそろしい。今は技術が進んでるから、パソコン上で一発変換!みたいなソフトがあったりするんだろうか。
(『蟲師』では各話ごとにテーマカラーを設定してやっていたそうな)