『白鯨』から何から、例によって色んなものを同時平行で調べ、読み進める中、
「あっ、これはいい本だな」と思ったのが、ロイ・ポーター
『啓蒙主義』(岩波書店)。
ロイ・ポーター自身、歴史家として名を馳せていた人だけど、この本は訳文の日本語が実に丁寧で、特に巻末の邦語文献一覧がすばらしい。
高山宏、M・H・ニコルソン、由良君美にまで、ちゃーんと言及してる目配りの良さ。
欲を言えば、バーバラ・マリア・スタフォードの名前もあって良かったかな。せっかく同じ18世紀研究なんだし。
でもスタフォードは、一部熱狂的なファン(同一名)を持つものの、その主張がなかなか広まっていかないのが残念。今度の
『実体への旅』でどうなるか、期待。
(「言葉じゃなく、ヴィジュアルでつなげろ」というマニフェストは、まさに「天啓」って感じだったんだけどなー。「こんな簡単なことだったのか!」という、コペルニクス的転回。
『グッド・ルッキング』のあとがきにある「人文地獄にスタフォード菩薩!」ってのは、実感としてホント切実。そもそもあのショックがなかったら、今現在、絵は描いてないもの)