なんてことなく
Production I.Gのホムペを見ると、攻殻の中で(といっても2nd gigの後半には全く感心しなかったものの)ここのところ一番引用しているセリフが。
全文引用すると
「攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG」O.A.no.23 橋が落ちる日 MARTIAL LAWのクゼのセリフ。
これを選んだのは絵コンテ・演出・原画の河野利幸。
このセリフを演出するために、スケジュールも厳しい中、スタッフに相当な負担をしいてまで中国茶を導入しましたので忘れられないセリフです。ん?好き、とはちょっと違いますよね。
本当に好きなのは神山さんの「うん、いいですね!」
全てが報われます。
あの烏龍茶のシーンはやはり大変だったのか(あの後中国茶の勉強をして分かったが)、しかしそれよりやはり心に残るのは
本当に好きなのは神山さんの「うん、いいですね!」
ファーストシーズンの頃から
『「それはそうだけど」「逆に」なんて言うスタッフはいくら優秀でも、今回僕が作りたいチームにはいらない』、まず相手の発言を受け止めた上で、それに対して色んなアイディアを出す、そうしないと「話がどうしても皮肉っぽくなる」といっていた神山監督。
じゃあきっちり仕事をしたスタッフに対してどういう対応をするのだろうと思っていたら、ああ、そういうことか、と全てが腑に落ちる感じですな。不思議と、先日読んだ
「大久保利通」(講談社学術文庫)で、
大久保利通が、だまって相手の言うことを聞いていて、それがまだまだだと感じると
「それだけですか」
と言い、それがいいと思うと
「それで良いでしょう」
と言って、自分の意見を付け足さず、発言者の意思そのままに実行したという話が思い出される。
これ、発言者の企画が、発言者の思ったとおりの形で通るので、誰しも満足し、大久保に対する尊敬が強くなったというが、木戸孝允は、かならず発言者の意見に自分の意見を付け足した形で通した、その差というのは実に大きかったそうで、色々考えさせられる。大久保のようにすべきだとは分かっても、そうそう人の話をだまってずっと聞いていられるものではない。敬服。