マンガとアニメーションと人文を、脱線(Digression)でつなぐブログ。
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くるくる丸められるキーボード(鈴木みそ)

パソコン周辺機種の進歩は目覚しいですな。くるくる丸められるキーボードとは。
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ついこの間までワイヤレス(wireless)だのペンタブレットだのだったのが、そうですか、丸められますか。
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まあパソコン通の人には常識なのだろうが、パソコンには外部記憶の意味しか与えていないこちらとしては、少々驚きますな。デザインもいいし。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-21 22:49 | 駄文 | Comments(0)

シリかくなー!(ユズヒコ あたしンち)

「日常」はあっても「生活」はないマンガが多い中(さしさわりがあるからどれとはいわない)、きっちり「生活」を描いて成功しているマンガ、といえばけらえいこ「あたしンち」
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八巻あたりから、登場キャラクターたちが完成したように思うが(母の友人である「水島さん」など初期とは随分顔が違う)、このあたりから作者であるけらえいこ氏は連載がきつくなってきたようで、読売新聞日曜版では隔週連載になってしまい、単行本が年一のペースでしか出ない現状を考えれば、自然、アニメーションの「あたしンち」を楽しむ方向に傾いていく。

アニメーション版の「あたしンち」はオリジナル部分が多く面白いが、このアニメーションが成功するゆえんはキャスティングの妙であろうと思う。

母:渡辺久美子
ユズヒコ:阪口大輔
みかん:折笠冨美子
父:緒方賢一

これほどマンガで読んでいてアニメーションの声優がピタりとハマっている例は稀有でないかと思うが、唯一、母の声が若すぎやしないか、と思っていたら、事実役者さんは(母よりよほど)若い方のようで、他のアニメーション作品を鑑賞の折、「おジャ魔女ドレミ ナイショ」の最終回では、未来からタイムスリップしてくる小学生(!)を演じ、「Samurai 7」では妹を野武士にさらわれたホノカという二十歳前ぐらいの女性を演じていて、ははァ役者というのは達者なモノだと感心していたが、「巌窟王」では妙齢の夫人を演じていて、つまり前述の役柄より声が低くなり、さすがに子持ちの夫人ともなれば「あたしンち」の母と声のピッチ(高低)はほぼ同じ、観るたびに妖艶な貴婦人のおもざしにあの「母」がダブってしまって困り果てているが、演技が達者なのは結構でも、役柄があまりに広いとこういうことも、たまに起こるようである。
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↑この人ではないのだが、トップの画像の作品とは絵柄も雰囲気も違いすぎ
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-20 21:07 | 駄文 | Comments(0)

(島本和彦)まあ実現しないだろうと思いましたね

「逆境の夏 日本の夏」が、「逆境ナイン」原作者島本和彦氏の、
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この番組のためだけのマンガ(!)が気合入りまくりで、実に面白い番宣番組に。
最初二人しかいなかったバカがだんだん、こう集まってくるわけですね(羽住監督)

第二稿ができましたーって(企画が没になったのに)何に向けて台本直してるの?(チーフプロデューサー)

番組中秀逸だったのが、島本和彦氏が、ココリコの田中直樹氏(サカキバラ・ゴウ役)にする「それはそれ、これはこれ」の演技指導の言葉がまるで意味が分からなくて素晴らしい。

「これはこれ」で言い方がある 微妙に違うんですよね。
「それはそれ」「これはこれ」っていう感じじゃないかなぁ。
だからすぅーと飛んでいくんじゃなくて
「これはこれ」はんんんっとこう
「それはそれー」でいいけれども「これはこれ」
「それはそれ」で別の機会に謝ればいい。「これはこれ」でいま命をお前はかけねばならんのだっていう、「そうかー!!」っていうのは「これはこれ」にかかっているんですからね。

この「メイキング逆境ナインの番組メイキング」は島本和彦氏のHP
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-19 21:00 | Comments(0)

今年度上半期Best 3

新本に限らず、上半期で最も刺激的だった本のトップ3。

第一位
「エマ 第五巻」
森薫
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寸評:四巻の後半、エマとウィリアムの再会のあたりからの、この人の画力・演出力の成長ぶりは恐ろしいまでであったが、それがついに一巻を通して花開いた素晴らしい作品。特に主人公ウィリアムの両親、その二人の回想シーンにはもはや泣くとかではなく、嗚咽。この間読み返したら、やはり泣いた。

関連1
関連2

第二位
「グッド・ルッキング」
バーバラ・マライア・スタフォード(Barbara Maria Stafford)
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寸評:アメリカ美術史学会のトップが著した、今ままでの自著を総括するインデックス本(というにはあまりにも濃密な内容だが)。「言葉が絵よりエライというプラトン以来の執念(しゅうね)き上下層序に対してケリを入れる」というスタフォード女史の論旨には、目からウロコが落ちまくり。広くデザイン・色彩・レイアウト・錯覚光学など、いままでおろそかにしていた「絵・image」の部分の勉強を始めた、始めざるを得なかったのは、全てこの人のおかげである。
関連1

第三位
「アニメーション美術の基礎」
小林七郎(現在在庫切れ)
寸評:「アニメ夜話 エースをねらえ」に出演した、アニメーション美術(背景美術)の第一人者が著した、背景美術の基礎本であるが、絵を描くということには透徹した「論理」が必要であり、雰囲気で「なんとなく」書いてはいけないということが、絵や文章の隅々まで感じられる、もはやアニメーション云々ではなく基礎美術書として一級の出来。

関連ページ1
関連ページ2
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-18 17:49 | 駄文 | Comments(0)

マジっすかぁー!(カンフーハッスル 周星馳)

前作「少林サッカー」を凌ぐカンフーアクションが炸裂!なのだがカンフーでサッカーをやるという無体な企画の「少林サッカー」の方が「面白さ」では上か。カンフーをカンフーとして見せられても、やはり間に「Hero」「Lovers」がおさまったからな、カンフーアクションマニアではないこっちとしては、どうしても目新しさという点では見劣りしてしまう。「笑い」が減り、黒澤明の「用心棒」さながらの設定で、シリアス度がぐっと増したわけだが、どうせなら徹底的にシリアスにしていただきたかった、というのは「少林サッカー」の続編的なものだと期待していたこっちも悪いのだが。
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字幕より吹き替えの方が見やすかったが、それはひとえに吹き替えを担当した声優さんがたの力量もあるかもしれない。山寺宏一矢尾一樹茶風林などなど達者な人ばかり。声優ということで一言言えば、中盤、琴を携えてあらわれる二人組みの殺し屋のひとりを、千葉繁さん(→注た行)が演じてらしたが、ご本人のルックスと殺し屋のルックスがあまりに似ていて笑った(ちなみにエンドクレジットを見ても吹き替えのクレジットはない、というか確認できなかった。確認できたのはひとえにこっちの声優判別アビリティーのおかげ、って何のおかげなのか)。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-17 19:59 | 駄文 | Comments(0)

脚本が弱いってどこでも言われたよ(押井守)

「Continue ハチミツとクローバー特集」はさておいて、まず真っ先に読むのは【第2特集】 押井 守、『イノセンス』を語る。
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こうやって押井守のことばかり取り上げているからといって、こっちはまるで押井守のファンではない、どころか、あまり好きではないにしても、(アニメーションに限らず)監督というものが自らすすんで自作やその方法論を語ってくれない以上、押井さんのように色々な媒体でこれでもかというぐらい喋ってくれる存在は、やはり貴重なので、作品そのものよりも出来方・作り方に関心のある人間としては、何だかんだいっても、参考になるから、やはり読む。

「イノセンス」は20億かけて、やはり観客動員数は100万を超えず、興行成績は10億どまりだったそうですな。Production I.Gの取締役石川光久氏も「十年かけて回収する決心がついた」と語ったぐらいで、あれだけプロモーションしても100万は行かない、自分はそういう監督なんだ、というのが押井氏の弁。また「脚本が弱いと散々たたかれた」と語る押井氏ではあるが、「自分がやりたいのはそういう脚本じゃないからいい」など、全部突っ込まれそうな所は先回りして答えてしまう辺り、いつものことながら、ズルいな、この親爺は。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-16 17:32 | 駄文 | Comments(0)

Sunrise over sea(ジョン・バトラー・トリオ)

アコースティックメインのJohn Butler Trio「Sunrise Over Sea」というのを甘木君より教えてもらうが、バラエティーに富んだ内容で、Creadence Clearwater Revival(C・C・R), Lynyrd Skynyrdの匂いがしてなかなか良い。
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出身はどこなのかまるで分からないが、こういうアメリカ南部(Southern)の香り漂う音楽というのはどれも面白い。有名どころでは、Allman Brothers Band, Lynyrd Skynyrd, C・C・Rとかでしょうなぁ(実はC・C・Rは全員北部出身だそうだけれど)。
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こっちの趣味ではDown, Corrosion of Conformityなど、ハードな音楽でもきっちり南部の香り漂うのがあって、どちらも良い。
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ちなみにLynyrd Skynyrdは「レイナード・スキナード」と読むのであって「れいにゃーど・すきにゃーど」ではないそうですよ。れいにゃ~ど・すきにゃ~どだったらネコみたいで面白かったのに。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-15 18:42 | 駄文 | Comments(0)

こんなのは文壇でも流石に屑の方であろう(二葉亭四迷 平凡)

二葉亭四迷「平凡」。
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碌な本ではない。嫌なものは活字にしない方が後々後悔しなくてすむのであるが、恩師ゴードン先生(Gordon, Jan-Baker)の話につながるので、あえて書く。

「平凡」自体は、私小説であって、二葉亭が39年の生涯を振り返っての追懐談、それ自体は好きにすればいいのだが、この小説(?)に、明文化こそされてはいないものの、ある思想があるのは明らか。それは
「誰も自分のことをわかってくれない」
というものである。この考え方だけは、何が何でも承服できない。これがいかに拗けた考えであるか、それを恩師であるゴードン先生は英文学の演習の中でこうおっしゃった(といっても授業は全て英語だったから、訳さねばならないし、手元のあるのは心覚えのノート程度だからそれを引用しつつやると)
Loss and Gain
Loss=feel too private stuff(thing)
Nobody can feel like me

"Loss"=privately(Nobody can feel like me)
"Share"=selecting important people for oneself

ノートではこのようになっている。別に訳すほどの英語でもないし、分からないことはないと思うが、もし分からなくても辞書を引けばいい。で、確か授業では、John Donneのソネットだっかなぁ、「Canonization」の話だったか、こういう風に展開したと記憶する。

喪失(Loss)とそこから得るもの(gain)、死後新たな名前をつける(re-name)のがカトリックのしきたりで、それが死後「new person」となる。
喪失(loss)というのは、非常に個人的に感じるもので「誰もわかってくれない」という。併し「分かち合う(share)」というのは、自分にとって重要な人間を選び取ることになる。
そして「誰もわたしを分かってくれない(Nobody can feel like me)」という人間は、一生誰のことも理解しようとしない人間だ、「誰もわたしを分かってくれない」というのは、世界に対して扉を閉ざすことに他ならない。

本来これをプリンストン出の(Princeton Univ)インテリの先生が、イキのいい英語で話すわけだから、記憶を基にした翻訳ではこれがせいぜい。
それにしても「誰もわたしを分かってくれない(Nobody can feel like me)」という人間は、一生誰のことも理解しようとしない人間だ、「誰もわたしを分かってくれない」というのは、世界に対して扉を閉ざすことに他ならない。」というのは、いまだに耳に残っているもの。こっちもエゴイスト(シロクマ注1)を以って鳴る人間だからあまりでかい事はいえないが、知っておいて損はない。なにより、私小説的な愚痴を並べるより、そちらの方がよほどましである。
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注:エゴイスト(Egoist)。イギリス19世紀の作家、ジョージ・メレディス(George Meredith)の同名小説。現在岩波文庫より、碩学、朱牟田夏雄氏の名訳で読める(もっとも氏には名訳しかない)。一度、原文でトライしたが、難解にして晦渋を以ってなる作家の文章だけに、というより意図的に分からなくしてほくそえんでいるところがあって、まるで読めたものではなかった。それだけに主牟田夏雄氏の翻訳作業は並大抵のものではなかったとろうと推測される。小説の筋自体は大したものではなくて、容姿端麗の金持ち貴族で頭も悪くない青年が、婚約相手に愛想をつかされて、その次の女にも結局振られ、最後はいつもそばにいた女と一緒になる、というおよそ詰まらないものだが、その主人公の無垢なるエゴイストぶりを描ききっていく様は、自分の一番嫌な部分を見せられているような気になって(多かれ少なかれ誰でもだろうが)、これを作者は喜劇とのたまっているが、そう気楽に読めたものではない。幡読するものではないが、一読には値する奇書である。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-14 14:18 | 駄文 | Comments(0)

母さんを追い出した連中に何をそこまで!(ウィリアム・ジョーンズ)

今月号の「エマ」(森薫→注ま行)は鬼気迫るほどの迫力、そうか人間ここまで描けるようになるのか(絵だけでなく)、という成長の軌跡ですな。
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「成り上がりものとさんざん軽蔑されて母さんを追い出した連中に何をそこまで!」
「母親に対して失礼なことを言うな!」
(コミックビーム 八月号)
「エマ 第五巻」にて、母親が家を離れる時、母を引き止める次女ヴィヴィーそれを抑える次男アーサー、それなのになぜ長男のウィリアムだけコマを分けて書いたのか、その理由がようやくはっきりするシーン(scene)。

また森薫氏のbrilliantなところは、エマとウィリアムの恋仲の障壁となる、父の言動の全てに理屈が通っている点でしょう(理屈さえ通ればいいというものではないのだけれど)。婚約破棄などして、婚約相手の家に対して失礼ではないのか、婚約相手の家(キャンベル家)が婚約を承諾したのはお前を婚約相手として認めたからだろう、婚約相手のキャンベル嬢がお前と婚約を結んだのはお前を好いているからだ、婚約を祝福してくれた知人たちに失礼だとは思わないのか、云々、どれも筋が通っている。その父に対する息子ウィリアムも、青臭いながら、ある程度スジの通った反論をし、その二人のやり取りを聞いて苦しむ母、だから誰も悪者になっていない。

通常、こういう恋愛モノをやる場合、とかくその障壁となる親であるとか、社会組織を安易に「わかっていない人たち」というような描き方をしてしまいがちなのであるが、そういう手法を一切とらない、勿論これには反論もあって、論理よりも感情を優先し「分かっていない人」というような描き方をしたほうが、登場人物に深く感情移入している場合、視線がバラけなくていいのだけれども、こうなってくるともはや趣味の問題なのであっても、森薫氏のようにここまで登場するキャラクター全てにきっちりと筋を通す人は、珍しいのではないだろうか。

この間のインタビューでは「あと二巻ぐらいで終わる予定」だと語っていたけれども、こんな高いテンションのマンガがあと二巻ぐらいで終わるものなのでしょうか。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-12 20:17 | 駄文 | Comments(0)

日本に自信が持てないんですかのう(ジョン万次郎)

みなもと太郎(シロクマ注1)「風雲児たち 幕末編 第七巻」がもうすぐ発売、読めば間違いなく面白いのだが、読むたびに日本人が明治維新の頃から何一つ変わっていないという絶望的な真実に直面させられてしまって、やりきれない。
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自分たちと異なるものは徹底的に排除する、出る杭は打つ、権威に阿る、一体これは何なんだと(口には出さないものの)思っている人多いはずで、そのひとつの回答が「風雲児たち 幕末編 第五巻」にこういう形で出てくる。

(江川太郎左衛門)「開国するも 戦になるも まず相手を理解し友好の道を探るのが第一歩ではないか・・・ 水戸様のように最初から西洋を「敵」と決めつけられては 何も生まれぬ・・・」
(ジョン万次郎)「日本(このくに)に自信を持てないんですかのう・・・」

この一言で、日本の日本以外の国に対する全てが説明できる(これを書いている人間だってまったく同じだ)。そしてこの間ゆうきまさみ氏がアニメ雑誌「Newtype」にこう書いていた(氏そのものの意見ではないけれど)。
「本当は開国なんてしたくなかったんだ!」

本音を言えば、そうなんだろうねぇ・・・

注:みなもと太郎(みなもとたろう)。日本マンガ界における最高の知性であるが、悲しいかな、ギャグマンガという体裁で日本の歴史を書き綴る「風雲児たち」という傑作も、知らない人は知らないが、知っている人間もそんなに多くはない作品で、それを呉智英(くれともふさ)氏が「あなたは長距離ランナーだから」と言ったらしいが、やはり本人は「売れない」と悩むらしい。それでも去年(2004)手塚賞だかなんだか権威ある賞に輝いて、「賞をやるのが遅すぎる!」と識者からは怒りの声もあがったようだが、これで少しでも読む人が増えてくれればと、切実に思うばかり。損はしないから読んで欲しい。
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# by ulyssesjoycean | 2005-07-11 16:40 | 駄文 | Comments(0)